アメリカ合衆国のウェンディ・シャーマン米国務副長官(U.S. Department of State from United States, Public domain, via Wikimedia Commons)

 米国のウェンディ・ルース・シャーマン国務副長官は26日、中国(以下、中共)外交部の王毅外相などの幹部らと天津市内で会談した。シャーマン氏は、新疆ウィグル自治区、香港、チベットの人権問題などについて懸念を表明した。

 シャーマン氏は、新疆ウイグル自治区、香港、チベットの人権問題や、中国が軍事活動を活発化させる台湾海峡、南シナ海、東シナ海について懸念を表明した。中共外交部がこれまで主張してきた「米国が中国を『仮想敵』としている」ことについても否定した。また、中共が新型コロナウイルス(中共ウイルス、SARS-CoV-2)の起源に関して世界保健機関(WHO)の調査に協力していないと不満を示した。

 中共公式の発表によると、中共はシャーマン氏に対し、米中対立の原因について「米国が中国を『仮想敵』としているからだ」と非難し、人権問題や新型コロナの起源などに関する米国の主張に「強い不満」を表明した。更に、中共幹部らに対する米国の制裁や、中国人留学生へのビザ発給制限、中国語教育機関「孔子学院」への圧力などに関する「要求リスト」を米国に渡した。

 米国務省のネッド・プライス報道官は先週、シャーマン氏の訪中について、中共との「対話」を維持することが重要であり、激しく対立する米中、二国間関係を解決し、「意思疎通」を確保し、競争が激しい衝突に発展しないようにすると述べた。

 シャーマン氏は先週、東京で日本と韓国の高官と、台湾海峡、南シナ海の平和について会談した。これによって、中共当局の激しい反発を招いた。中共外交部の趙立堅報道官は「香港、台湾、新疆ウイグル自治区に関する問題はすべて内政問題であり、外国の干渉は許されない」と宣言した。また、「米国と日本は冷戦時代の考え方に固執し、集団を作って意図的に対立を助長し、反中国の包囲網を作ろうとしている」と主張した。

(翻訳・吉原木子)