オーストラリアのシドニー市の景色(イメージ / Pixabay CC0 1.0)

 1月25日、オーストラリア外務省は、「国家安全保障を脅かす疑い」で拘束中の中国系オーストラリア人作家と面会した、と発表した。

 オーストラリアに帰化した作家のヤンジュン氏は、北京市の国家安全保障局による「強制措置」(中国における『身柄拘束』の婉曲表現)を受け、国家の安全を危険にさらした疑いで調査されていると発表された。

 ヤン氏の弁護士によると、ヤン氏は6か月もの間、スパイ行為の疑いで「指定された場所での在宅監視」状態にあり、法律の専門家との接触を断たれた状態で当局からの尋問を受けているという。

 オーストラリア大使館は、1月18日に大使館のスタッフがヤン氏を訪問したと発表した。

 同省は「ヤン氏との接触は、中国との二国間領事協定に従って行われた」と述べるにとどまり、プライバシー上の理由から詳細は提供できないとした。

 オーストラリアのある当局者は、ヤン氏はニューヨークから中国南部の広州市に飛んだ直後に拘束されたと述べている。

 同当局者はまた、ヤン氏の拘束は中国と西側の緊張関係が原因だとは思っていないと述べた。

 中国政府は、休職中のカナダ人外交官およびカナダ人コンサルタントを「国家安全保障を危険にさらす疑い」で逮捕した。その後、中国と西側諸国の間では緊張が高まっている。

 これらの逮捕は、ファーウェイのCFO・孟晩舟氏の逮捕に対する中国側の報復措置として受け止められている。孟氏は、イランに対する米国の制裁に違反したとして、米国の要請により昨年12月に逮捕された。

(翻訳・今野秀樹)