習近平氏は全人代代表フォーラムに出席した時、女性代表が習氏を褒めた。(ツイッター動画のスクリーンショット)

 中国共産党(以下、中共)がこのほど発表した「習近平氏の論述抜粋」で、党内の一部が「習近平核心思想」の確立に不満を持ち、「党内民主主義」の発展を求めていたことが、初めて明らかになった。これらの言論を、習近平氏は「おかしい言論」と批判した。

 『習近平の全面的に厳格な党内統治に関する論述の抜粋(2021年版)』という本が出版された、と中国国営新華社通信が6月28日に報じた。同書の一節は、外界から注目を集めた。「全面的に厳格な党内統治を進めていく中で、党内ではざわめきが少し出てきた。中には『この5年間、党の中央集権と統一性は十分強調されてきた、今後党内民主主義の発展に重点を置くべきだ』と言う人もいる。このようなおかしい言論を発する者には、政治的に混乱していて頭がぼうっとしている者もいれば、下心があって自分自身が不潔なため、ごまかそうとしている者もいる」

 同抜粋は、2018年1月に開催された第19期中共中央規律検査委員会第2回全体会議での、習氏の講演から引用されたものである。

 2018年3月、全国人民代表大会(全人代)で憲法が改正され、国家主席の任期期限が撤廃された。

 同年9月、中共中央政治局会議は、習氏の党中央と全党の核心としての地位を守り、党中央の権威と中央集権的指導力を擁護するという「2つの擁護」を求めた。

 中共が何かを強調すればするほど、中共に欠けているものがある、と考えている時事評論家もいる。

(翻訳・徳永木里子)