(一帯一路 Lommes, CC BY-SA 4.0 , via Wikimedia Commons)

 パキスタン北部で14日午前、バスが爆発後に峡谷(きょうこく)に転落し、少なくとも13人が死亡、39人が負傷、うち中国人9人が死亡、28人が負傷した。爆発の原因について、パキスタン外務省は「ガス漏れによる事故」と説明したが、中国外交部は14日の記者会見で、「襲撃事件」としており、見解が食い違っている。

 パキスタン政府関係者によると、バスには中国人技術者30人以上が乗っており、ダスダムの建設現場に向かっていたという。途中、バスは爆発して深い谷に落下した。

 パキスタン外務省は、「機械の故障でガス漏れが発生し、爆発が起き、峡谷に落下した」と発表した。

 在パキスタン中国大使館は、ウェブサイト上で緊急のセキュリティ警告を発表し、「パキスタンにある我々の企業の従業員が最近攻撃され、死傷者が出ている」と事故を襲撃事件と定義している。

 ダスダムは、650億ドル規模の投資計画である中国が推進する巨大経済圏構想「一帯一路」、それを象徴する事業である中国・パキスタン経済回廊(CPEC)の一環として進められており、重要な戦略拠点である。経済回廊を開通させ、中国は新疆ウイグル自治区からパキスタンを経由して、戦略上重要な位置にあるインド洋に直接到達できるようにすることを目的としている。

(翻訳・徳永木里子)