香港出身の映画俳優ジャッキー・チェン氏(Frantogian, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons)

 中国共産党(以下、中共)中央委員会総書記習近平氏が1日行われた演説は、「学習」の題材となっている。中国芸能界での「学習」活動において、香港出身の映画俳優ジャッキー・チェン氏は「中共に入党したい」と明言し、ネットユーザーの嘲笑を招いた。

 中国映画チャンネルの公式ウェイボー(微博、Weibo)によると、中国映画家協会は8日、北京で習近平氏の演説を学ぶイベントを開催した。ジャッキー・チェン氏も出席し、「私はあなたたちが(共産党)党員であることが、非常にうらやましい。共産党は本当に偉大だと思う」「私も党員になりたい!」と発言した。

 ジャッキー・チェン氏の発言に対して、ネットユーザーは「不倫して隠し子がいて、息子がドラッグをやっているような人が、入党基準を満たしたな」、「早くこの暴力団に入ってこいよ」と嘲った。

 中国共産党中央党校の蔡霞元教授はかつて「中共はヤクザであり、習氏はそのボスである」と述べた。

「彼(ジャッキー・チェン)がブランドのイメージキャラクターを務めると、そのブランドは倒産してしまうと聞いたが、それだったら良いことかもしれない」、「彼が中共を支持することは、中共はもはや潰されることを意味する」というネットユーザーもいた。

 ジャッキー・チェン氏をイメージキャラクター起用した企業などが、倒産や事故に見舞われた実例は以下の通りである。

1、中国のパソコンブランド「小覇王学習机」が倒産

2、中国ドリンクブランド「汾湟コーラ」、1年足らずで倒産

3、「三菱」自動車、製品の品質に問題が発覚しリコールされた

4、中国麻薬反対イメージキャラクターとなった後、息子の房祖名が大麻を吸って、逮捕された

5、海南航空グループ傘下の「香港航空」は、財務危機があると報告された

6、「愛多VCD」の創業者である胡志標は、判決を言い渡された

7、フォルクスワーゲン傘下の「ケイディ自動車」が、生産中止になった

8、覇王漢方シャンプー、発ガン物質が検出された

9、「長沙北方自動車専修学校」、是正命令を受けた

10、「思念」水餃子、基準値以上の細菌が検出され、緊急リコールされた

 ジャッキー・チェン氏は隠し子、資金洗浄、私生活の乱れなど、さまざまなスキャンダルに巻き込まれてきた。また、中共を頻繁に称賛したことで、世論の非難を浴びた。

 また、2004年、「台湾の選挙は冗談である」と非難し、中国統一論を唱え、台湾の与野党の不満を引き起こした。

 ジャッキー・チェン氏が2009年4月、「香港と台湾はあまりにも自由で、中国人を管理しなければやりたい放題になる」と言った発言は、ネットユーザーから「奴隷言論」と非難された。多くの人は彼の出演映画を見ず、宣伝した製品の不買運動でボイコットした。

(翻訳・吉原木子)