全米記者クラブで演説を行うマイク・ポンペオ前国務長官(米国国務院動画のスクリーンショット)

 マイク・ポンペオ前米国務長官は8日、中国の遺伝子企業が世界中で妊婦から遺伝子を収集しているという報道について、中国共産党(以下、中共)が世界征服を目指している証だとし、世界が立ち上がって中共を阻止すべきだと主張した。

 ロイター通信7日の報道によると、中国の遺伝子解析最大手である華大基因グループ(旧・北京華大基因研究中心、BGI)は、中共軍と協力して出生前検査を開発し、診断データを保管・分析していることがわかった。同出生前検査は世界中の数百万人の女性に利用されている。

 ポンペオ氏は8日、ラジオ番組のホストであるヒュー・ヒューイット氏のポッドキャストで、「彼ら(中共)の政府がやっていることは、すべて軍隊とつながっている。民間でやっているようなことも、すべて政府や軍に関係がある。BGIに関連した出生前検査のニュースは、中国が遺伝子がどのように生命の特徴を生み出すかを、解明しようとしていることを示唆した」と語った。

 BGI社は、2013年から世界に導入した「胎児の染色体異常に対する非侵襲的出生前遺伝子検査(NIFTY)」という出生前検査プログラムを通じ、現在、人口研究のために世界中で800万人の遺伝子資料を取得したという。

 NIFTYは、世界で最も人気な出生前検査項目の一つで、妊婦の血液を検査するだけで、胎児がダウン症などの病気にかかったかどうかが分かる。同項目は、イギリス、ヨーロッパ、カナダ、オーストラリア、タイ、インドなど、少なくとも世界52カ国で販売されているが、米国では販売されていない。

 これに対してポンペオ氏は「これは世界的な覇権を目指す政権のための、基本的かつ広範な情報収集の取り組みであり、中共の望む帝国構築のために、手段を選ばないもう一つの事例だ。世界が立ち上がってそれを止めるべきだ」と述べた。

(翻訳・徳永木里子)