ニュージーランドの首相・ジャシンダ・アーダーン氏(左、New Zealand Government, Office of the Governor-General, CC BY 4.0, via Wikimedia Commons)とルイザ・ウォール国会議員(右、New Zealand Labour Party., CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons)

 ニュージーランドのルイザ・ウォール国会議員(与党・労働党)は5日、法輪功学習者や新疆ウイグル自治区の少数民族、その他の政治犯を主な犠牲者とする、中国共産党(以下、中共)政権による金儲けのための強制的生体臓器摘出行為を国営ラジオで非難した。ウォール氏はニュージーランド政府に対し、中共の非人道的な行為に対抗するために、さらなる努力をする必要があると呼び掛けた。これに対し、ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相は同日、すでに臓器移植に関連する事項について北京に質問を送ったと返答した。

 ウォール氏は、中共の行動を監督する政治家のグローバルネットワークに参加しているニュージーランド国会議員2人のうちの1人である。ラジオ・ニュージーランド(RNZ)のインタビューで、「中共がグローバル市場に奉仕するために、強制的に臓器を摘出している。ウイグル人や法輪功学習者は、良心の囚人(注)として指定されている。彼らが奴隷であることは知っていた。臓器摘出のために使われることも知っていた」と述べた。

 ウォール氏は、勅撰(ちょうせん)弁護士(エリザベス女王陛下から権威を授与された法律家)であるジェフリー・ナイス卿が裁判長を務めた独立法廷の調査報告を引用した。600ページに及ぶ同報告書は、「中共が臓器移植ビジネスのために政治犯の殺害を続けており、多くの人がその過程で「何ともいえないほど恐ろしい死に方をしている」と書いてあった。

 「イギリスのナイス裁判長の報告書によると、心臓、肺、目、皮膚を欲しがる人々のグローバルマーケットに奉仕するために、臓器が強制的に摘出されていることが明らかになった」とウォール氏が述べた。

 アーダーン首相は記者会見で、「ニュージーランドでは輸入された臓器を使用していない、どの国からも臓器を輸入していない、現代の奴隷制の脅威に対処するための立法もすでに進めている」と述べた。

注:良心の囚人とは、言論や思想、宗教、人種、性などを理由に不当逮捕された人のことをいう。

(翻訳・徳永木里子)