上海の復旦大学でMBAを取得し、企業で副社長を務めていた譚華氏は2014年、住んでいる団地の住民が飼っているペットの犬に噛まれ、狂犬病ワクチンを接種後に深刻な副作用が発症した。それ以降7年間にわたり陳情を続けたものの、当局に弾圧された。絶望した譚華氏は17日に農薬を飲み込み自殺した。

 譚氏は自殺直前の動画で、「1年365日のうちの300日も治安維持という名義で弾圧されている。当局に手当や生活費や薬が一切もらえず、年金まで支給してくれなくなった。もう生きる意味がわからない」と訴え、オレンジ色の液体が入ったボトルを手に取り、「この農薬を飲んでしまう」と言って、ボトルの中の液体を飲んだ。

 譚氏は楊浦区中心医院で成都康華生物製品株式会社製の狂犬病ワクチン(人の二倍体細胞)の接種を受けた。その後、脳症、てんかん、全身の発疹、突発性難聴などの症状に見舞われ、治療に数百万元を費やし、一生完治できない後遺症が残り、働くことができなくなってしまったのだ。

 上海市衛生・計画生育委員会は、譚氏の症状とワクチンの関連性を認めていない。譚氏は過去7年間、陳情を続けたが、2年間の自宅軟禁を含む継続的な弾圧を受けてきた。譚氏の母親の華秀珍氏も、娘の陳情に協力したことで弾圧され、退職金を止められた。毎月800元(約13,600円)の最低生活費しかなく、病気に罹っても治療費すら拠出できない。

 華秀珍氏はこのほど、全国のワクチン被害者の親が主催するデモ行進の許可を申請し、ワクチン被害者の就学、医療、雇用などの権利を保護するために、国務院に「全国児童ワクチン被害保護法」を早期に制定するよう呼びかけた。

(翻訳・徳永木里子)