イギリスのヒースロー空港のターミナル5(Kenneth Iwelumo, GFDL 1.2, via Wikimedia Commons)

 英タイムズ紙の調査によると、中国の投資家はすでに英国の企業、インフラ、不動産など及びその他の投資ポートフォリオに、合計価値1350億ポンド(約20兆円)近く投資している。 ワシントンのアメリカン・エンタープライズ研究所は、中国の対英投資額を710億ポンド(約10兆円)と推測していたが、今回の調査で実際の数値は約2倍であることがわかった。

 タイムズ紙が発行した調査報告書のタイトルは『Chinese investment in the UK,From nuclear power to pubs,how Beijing bought up swathes of Britain(意訳:英国での中国投資:原子力からパブまで、北京はどのように英国を買収したのか』であり、計20ページ全てをオンラインで閲覧できる。

 前保守党党首のイアン・ダンカン・スミス氏は「これは、歴代政府が監視中に眠りについたことを意味する。 今日の証拠は、ビジネスの重要な側面を中国に支配されようとしている危険な状況に、我々が向かっていることに警鐘を鳴らしてくれた。 中国は英国と自由世界にとって最大の戦略的脅威であり、英国だけでなく海外の経済の主要分野を中国が本質的にどのように支配しているのかを、正確に理解しなければならない」と述べた。

 オックスフォード大学中国センターの副研究員であるジョージ・マグナス氏は、デーヴィッド・キャメロン前首相とジョージ・オズボーン前財務大臣が北京との緊密な関係を確立し、投資ブームの波を先導したと批判した。

(翻訳・神谷一真)