強襲揚陸艦「海南」(075型)(Public domain, via Wikimedia Commons)

 英紙「デイリー・エクスプレス」26日の報道によると、中国共産党(以下、中共)は23日に中国最大の強襲揚陸艦「海南」(075型)が三亜で就役すると宣言した後、カール・シュスター米国防顧問は声明を発表し、ベトナムやフィリピンなど同盟国の沿岸警備隊が南シナ海に速やかに赴き、力を合わせて南シナ海で中共によるさらなる敵対行為を阻止することを要請した。また、米国の沿岸警備隊を加えることで、非常に強力な警告を送ることになると示した。

 4万トンの「海南」は中国初の強襲揚陸艦であり、中共の海兵隊員のほぼ全員を乗せ、上陸用舟艇やヘリコプターで敵軍の支配地域に上陸できるほか、航空支援も可能である。同艦の飛行甲板にはヘリコプターが発着でき、搭載されるホバークラフトや装甲水陸両用強襲車は、艦上から上陸して攻撃を仕掛けることができる。そのため、軍事専門家は、同艦の配備は中共と海洋問題を抱える台湾などの国々に、懸念されることが確実だと考えている。

 シンガポールの南洋理工大学の許瑞麟研究員は「最新鋭の強襲揚陸艦を南方の戦域に配備することで、中共は近隣諸国に示威というメッセージを発信している。近隣諸国は、『絶えずに拡大している非対称性』に対処するために、軍備を強化し、大国からの支援を求めざるを得なくなり、また、同艦への懸念と警戒心を強めることになる」と述べた。

(翻訳・徳永木里子)