中国の人力車(イメージ:Pixabay CC0 1.0)

 中国陝西省政府の公式ウェイボー「陝西発布」は24日、中国中央テレビ(CCTV)経済チャンネルが23日夜に放送した番組「経済半時間」の中で、同省商洛市洛南県霊口鎮にある2つの村での貧困撲滅活動に関する問題を報じたと通告を発表した。

 洛南県はかつて国レベルの貧困県であり、2020年2月に貧困撲滅したと宣言した。しかし、同報道によると、霊口鎮上河村の貧困世帯は再定住地に水がないため、そこに住んでおらず、近くの作業隊が再定住地を使用しているという。貧しい村人たちはいまだに、荒れ果てたアドビハウスに住んでおり、三輪車に乗って隣接する河南省の貯水池まで毎日水を汲みに行かなければならない。1トンの水で50~60元(約996円)かかる。霊口鎮三星村も、同様に飲料水問題を抱えている。

 同報道は、世間からの嘲笑と「貧困との戦いにおける全面的勝利」への疑問を引き起こした。習近平国家主席の最も重要な業績(貧困撲滅)が事実ではないことが明らかになった後、陝西省当局は急いで通告を発表した。一方、「新京報」や「北京青年報」などの公式メディアは、「貧困撲滅運動の成果を粗雑にしてはならない」「貧困撲滅運動に水を差してはならない」などと、地方当局を矛先にした記事を掲載した。

(翻訳・徳永木里子)