オーストラリア政府は21日、ビクトリア州政府が北京と結んだ「一帯一路」協定を、外交政策に合致しないことを理由に破棄すると発表した。

 オーストラリアのマリズ・ペイン外相は21日、ビクトリア州政府が北京と独自に締結した「一帯一路」協定、中国の国家発展改革委員会(国家発改委)と署名した「一帯一路」に参加する覚書を破棄すると発表した。

 ペイン氏は声明の中で、4つの協定は2020年の「外交関係法」に基づくオーストラリアの外交政策と一致しないと考えていると述べた。ビクトリア州が北京と締結した「一帯一路」協定とその覚書は、外交関係法の検証に合致しない。

 報道によると、同州政府は「一帯一路」協定の破棄について、コメントをしていない。

 2018年10月にビクトリア州政府が中国共産党と「一帯一路」の覚書に署名してから、オーストラリアのスコット・モリソン首相は、同州を批判していた。今年2月にモリソン氏は、「一帯一路」協定がオーストラリアに何の利益ももたらさないと主張した。

 オーストラリア統計局によると、同州の対中貿易赤字は、2018年10月に「一帯一路」協定を結んで以来、25%増加しており、中国への累積貿易輸入額は輸出額を420億豪ドル(約3兆5081億円)上回った。

(翻訳・徳永木里子)