アイスランドはこのほど、欧州連合(EU)に倣って、新疆ウイグル自治区の人権問題に関連する個人やエンティティ(団体)に制裁を科した。これに対し、駐アイスランド中国共産党(以下、中共)大使館は16日、アイスランド人に同様の制裁を科す声明を発表した。

 アイスランド紙「Morgunblaðið」によると、中共大使館が制裁を科したのは、昨年10月に同紙に中共を批判した記事を寄書したアイスランドのヨナス・ハラルドソン(Jónas Haraldsson)弁護士で、中共に制裁された唯一のアイスランド人だという。

 同報道によると、ハラルドソン氏が昨年10月に投稿した文章には、中共大使館が所有する不動産問題や、新型コロナウイルス(中共ウイルス、SARS-CoV-2)のパンデミックにおける中共の役割、中国人観光客がもたらした問題などについて批判し、新疆の人権とはほぼ関係がなかったという。

 アイスランドのグズロイグル・ソウル・ソウルザルソン外務大臣は「これ(中共の制裁)がアイスランドの普通な公民を対象としたものであることに非常に驚いている。ハラルドソン氏は、言論の自由という憲法上の権利を行使しただけなのに。彼がこのような扱いを受けていることは容認できない」と語った。

 ハラルドソン氏は、中共に制裁された唯一のアイスランド人として「非常に誇りに思う」と述べた。

(翻訳・徳永木里子)