オランダで近日、2010年に完成された報告書が公開され、中国通信大手ファーウェイ・テクノロジーズ(中国語:華為)がかつてオランダ最大の通信事業者であるKPNの顧客データに恣意的にアクセスできたことに言及した。データには当時のオランダ首相ヤン・ペーター・バルケネンデ氏と内閣メンバーとの通話内容が含まれる。

 オランダ紙「デ・フォルクスクラント」の報道によると、華為は、2002年から2010年にオランダ首相を務めたバルケネンデ氏と他の内閣メンバーの通話記録を含め、KPNのすべての情報を手に入れていたという。

 同報道によると、KPNは2009年から華為の技術を使用し、6名の華為スタッフを本社に招いた。協力期間中、華為はKPNを通して650万の顧客の通話内容を盗聴することができた。オランダ総合情報保安局(AIVD)は繰り返し中国スパイのリスクを警告した。

 KPNはその後、華為からオランダのモバイル市場の権限を一部撤収し、昨年にはスウェーデンのエリクソンに5Gネットワークのコア機器の構築を任せることを決めた。

 同報道が発表された後、KPNは盗聴されたことを否定した。

 華為による国家安全への影響はすでに国際的に注目を集めている。オランダ政府は2019年より、通信事業者に5Gネットワークを構築する際にサプライヤーの背景を厳密に精査するよう求めた。

 また、オランダ当局は昨年、新しいセキュリティガイドラインを発表し、移動通信設備及びソフトサプライヤーへの規制を強化し、バックグラウンド審査が通過した者にのみネットワークアクセスを許可する。

(翻訳・北条)