アリババ・グループ(パブリック・ドメイン)

 中国国家市場監督管理総局(SAMR)は10日、アリババ・グループが独占禁止法に違反したとして罰金180億元(約3千億円)を科したと発表した。北京当局は独占禁止という名目で大手企業を取り締まり続ける中、テンセント社も注目を集めている。

 アリババ・グループの創始者であるジャック・マー氏(馬雲)とテンセントの創業者である馬化騰氏は、これまで中国の富豪ランキングで1位と2位を争っていた。昨年、アントグループの上場が当局に中止されて各界を驚かせた。今はアリババ・グループが莫大な罰金を払わされ、馬化騰氏は世論の的となった。

 テンセント傘下の「WeChat Pay」と「Tenpay(財付通)」などは、すでに中国人の日常生活で欠かせないものとなっている。テンセント社の財務データによると、微信とWeChatの月間アクティブアカウント数の合計は12.128億人に達し、ソーシャルシーンにおける支配力はアントグループを上回った。

 1月25日には、テンセントの時価総額が中国の6大国有銀行の市場価値総額を初めてオーバーした。ブルームバーグは、テンセントが当局の次の金融規制対象になる可能性があると報じた。

 ラジオ・フリー・アジアの報道によると、3月29日、中国共産党が全国の官僚の不正を取り締まる特捜チーム「中央巡視組」のメンバー数名が先週、深センに本社を置くテンセント・グループに進駐し、一連の調査を行った。

 3月24日午後、テンセント・ホールディングスの2020年業績発表会で、馬化騰氏は独占禁止の最新状況に関するメディアの質問に初めて対応した。

 同氏は「長期的な成長を確保するために、規制当局に積極的に協力し、可能な限りコンプライアンスを遵守する」と述べた。

(翻訳・藍彧)