(イメージ / Pixabay CC0 1.0)

 10月10日、北海道において、日中与党交流会議が開催された。これは中国共産党と日本の自由民主党および公明党の間の定期的な会談である。この会談で中国側の代表は、日本政府は日本メディアの報道を統制すべきだと言及した。

 中央通信社によると、この会議に参加した中国共産党中央対外連絡部(中連部)部長・宋濤は、日中関係のさらなる発展のため、日本メディアは中国について「適当に」報道すべきであり、日本政府は日本国内のメディアが行う報道を統制すべきだと主張した。さらに日本政府はメディアの「リーダー」として世論を誘導する必要があると強調した。

 宋濤の発言に対し中央通信社は「驚きを隠せない」と評した。中国では政府がメディアを統制しているから、同様に日本政府もメディアを統制すべきだ、というのが宋氏の論理だろう。しかし政府が国内のメディアを統制し世論を左右するのは共産主義国家にしかありえないことであり、自由主義の日本に当てはめることは不可能だ。

 共産党一党独裁の中国では、メディアは共産党の一つの道具に過ぎない。今までの数十年間、中国共産党はメディアを用いて中国国民を騙し続けてきた。宋濤はいわば、共産党の手法をそのまま日本にも適用しようとしたのだが、これは共産党による他国の世論操作の証拠でもある。自国民を苦しめるだけでは飽き足りず、赤い革命を絶えず他国へと輸出しようとする共産党の本質が明らかになった出来事でもある。

(文・黎宜明)