pearson0612によるPixabayからの画像

 ある香港人男性(62歳)が3月上旬、中国のシノバック・バイオテック(科興控股生物技術)社が開発した新型コロナウイルス・ワクチンを接種した後、路上で突然体調を崩し、病院に搬送される直前に死亡した。香港で同社ワクチン接種を開始して以来、12件目の死亡例である。

 同男性は3月8日にワクチンを接種し、その25日後に死亡した。接種直後に観察のために予防接種センターに滞在していた期間は不調の記録はなかったが、1日に高血圧症があったと診断されていた。

 香港衛生署は、本件に関する詳細な情報を入手しており、既定の段取りに従い、新型コロナウイルス・ワクチンの臨床事象判定委員会に本件の因果関係評価を依頼する。

 2月28日に香港でシノバック社のワクチン接種がスタートし、これまでに約32万人が接種を受けた。2回目の接種もすでに始まって10日が経過した。接種開始からわずか1ヶ月余りの間、12人が死亡し、8人が顔面神経麻痺を発症したことで、ワクチン接種への不信感が強まる一方となっている。

(翻訳・徳永木里子)