中国の人工衛星(Brücke-Osteuropa, CC0, via Wikimedia Commons)

 米空軍は23日、公式ツイッターで、中国が2019年に打ち上げた人工衛星が、18日に破壊したことが確認され、現在は原因不明で21個の破片に分かれていることを明らかにした。

 米国空軍第 18 宇宙管制通信隊(SPCS)は、同ツイートの中で、18日7時41分、中国「雲海1号02星」衛星が破壊し、地球近傍の軌道上に散らばった計21個の破片を確認したとし、米軍は宇宙飛行の安全性に関わるこれら破片の動きを追跡し続けており、 解析も進んでいると述べた。

 中国航天科技集団によると、酒泉衛星発射センターは2019年9月25日午前8時54分に「雲海1号02星」を打ち上げ、公式発表では当初、衛星が予定軌道に無事に入り、ミッションは円満に成功したと宣言した。大気や海洋環境の探知、宇宙環境の監視を主な役割とし、防災・減災を目的とした衛星であると述べた。

 中国共産党が打ち上げた衛星はこれまでもたびたび事故が起きており、2016年12月28日に太原衛星発射センターが打ち上げた「高景1号」は、主衛星2基が予定の軌道に入らず打ち上げに失敗し、ロケットの残骸が河南省に墜落したという記録が残っている。2020年3月から6月にかけて、改良型中型ロケット「長征7号」の初飛行が失敗したこと、インドネシアの人工衛星「パラパN1」を長征3号B宇宙ロケットで打ち上げた際、発射後50秒で爆発したこと、長征5号Bロケットが予定復路から外れたこと、長征3号B宇宙ロケットの打ち上げ前に技術的な問題が発生したことなどが、失敗例として挙げられる。

 計算上、「雲海1号02星」は打ち上げてから2年足らずで、自ら廃棄したとは考えられない。インターネット上では、衛星が撃破されたと噂されているが、それだと21個の破片しか出ないことはないため、その可能性は低いと指摘されており、衛星の破壊原因はおそらく宇宙の破片に衝突した可能性が高い。

 「これは中国共産党の近い将来を示している」というネットユーザーがいた。

(翻訳・藍彧)