ミャンマーの最大都市であるヤンゴンの市街地の反クーデターデモ(ツイッター動画のスクリーンショット)

 ミャンマーの人権団体が発表した声明によると、14日には少なくとも39人の抗議者がミャンマー国軍により殺害され、2月1日の軍事クーデターが発生して以来、最も血生ぐさい一日となった。中国共産党がミャンマー国軍へ民衆弾圧の資金を提供している疑いで、ミャンマー人は地元の中国企業に報復している。

 軍事クーデター以降、ミャンマーで最も血なまぐさい1日

 ミャンマーの国営メディアによると、ミャンマー当局は同日夜、ヤンゴン市のラインタヤ郡区とシェピタ郡区で戒厳令を実施した。

 目撃者やミャンマー国内のメディアによると、14日にミャンマーの最大の都市であるヤンゴン市で、国軍が抗議者に実弾を発砲した。目撃者は、その光景を「戦場」のようだと述べた。ヤンゴン市のラインタヤ郡区では、軍事クーデターに反対する抗議者少なくとも22人が兵士により殺害され、他の地域での死者を加えると少なくとも39人が殺害された。2月1日の軍事クーデター以来、最も血まみれの日となった。14日の時点で、ミャンマー全土で2,000人以上が逮捕されている。

 国連のクリスティーヌ・シュラネル・ブルゲナー事務総長特使(ミャンマー担当)は14日に声明を発表し、ミャンマー国軍による血生ぐさい弾圧を強く非難するとともに、国際社会にミャンマー国民への支援を呼びかけている。

https://twitter.com/JimmyTheBright1/status/1371736509095743488

 抗議者の怒りの矛先は中国企業へ

 軍事クーデター以降、抗議者の反中感情が高まっている。中国共産党当局が2月1日のクーデターで政権を奪取したミャンマー軍事政権を支援し、国連安全保障理事会でそれに対する制裁を阻止していると、ミャンマー国民は考えている。

 14日、ミャンマー人はヤンゴンのラインタヤ工業地帯にある複数の中国系企業に侵入して報復し、数人が負傷した。

 近年、中国共産党が推進する「一帯一路」という政策の下、ミャンマーへの投資が急増している。2017年には15億ドルに値する全長約770キロの、中国からミャンマーまでの石油天然ガスパイプラインが正式に稼働したが、今はミャンマー人の怒りの的となっている。ミャンマーメディアは12日、「中国の石油天然ガスパイプラインを爆破しよう、そして中国企業にミャンマーから出て行ってもらおう」と言っている人がいると報じた。ミャンマー人のネットユーザーは、「中国よ、ミャンマーで起きていることをまだ内政問題だと思っているのなら、ミャンマーを通る天然ガスパイプラインを爆破することも我々の内政問題だ」とツイートした。

(翻訳・徳永木里子)