2021年1月27日、米国務省で最初の記者会見を行うブリンケン国務長官(U.S. Department of State from United States, Public domain, via Wikimedia Commons)

 アントニー・ブリンケン米国務長官は5日、初めて中国外交官と電話会談した。ブリンケン氏は電話会談の中で人権問題について何度か言及し、米国は中国の新疆ウイグル自治区、チベットや香港における人権と民主の価値観を支持し守ると述べた。

 ブリンケン氏と会談を交わしたのは中国外事活動委員会弁公室主任の楊潔篪(よう・けつち)氏である。ブリンケン氏との電話会談で楊氏は米政府に対し、「最近の過ち」を正し、お互いの政治体制と発展路線を尊重するよう求めた。

 しかし、同電話会談でブリンケン氏は、人権問題に関する米国の立場を改めて表明した。「米国は同盟国と協力し、お互いに共有する価値観や利益を守り、台湾海峡を含むインド太平洋地域の安定を脅かし、国際的なルールに基づく国際システムを破壊する行為の責任を追及する」と述べた。

 「英国放送協会(BBC)」2月3日の報道によると、中国の新疆ウイグル自治区で強制収容所の女性が深刻な虐待を受けているという。拘束を受けた人々と警備員らが集団強姦、性的虐待、拷問などの組織的な犯罪を経験し、目撃したと語った。

 米国務省は同日、同報道に対し「深く不安を感じている」と発表し、中国共産党政権は一連の暴行の深刻な結果に直面しなければならないと述べた。

 中国時事評論家の唐靖遠氏は「中国共産党政権は今でも、交渉を通して人権と経済を切り離そうとしており、人権問題を蔑ろにして米国とのビジネスを継続しようとしている」と指摘した。

 トランプ前政権は、法輪功学習者や香港人、チベット人、ウイグル人に対する人権侵害をめぐり、中国共産党政権に圧力をかけてきた。さらにポンペオ氏は先月、中国共産党によるウイグル人や他のイスラム教徒への迫害を大量虐殺と「人道に対する罪」だと認めた。トランプ政権時代では、米司法省2019年の中国の企業秘密窃盗や関連犯罪の起訴件数が、オバマ政権時代の8年間を上回った。

(翻訳・徳永木里子)