イメージ:Fast&Slow / PIXTA(ピクスタ)

 北京大学の梁建章教授は2月1日に発表した記事の中で、2020年、中国の多くの地域の最新人口データによると、全国の出生率が下がり始めており、一部の地域では32%も急落していると指摘した。将来、年間新生児数が1000万人以下に減少し、出生率を大幅に上げなければ、この減少は止まらないだろう。

 中国国家統計局の関係者は1月18日の記者会見で、前年のGDP、穀物の生産量、雇用データ、住民の所得などのデータを発表したが、例年のように前年の出生数のデータは発表しなかった。理由は、国勢調査が完了していないため公表できないという。

 浙江省温州市政府が発表したデータによると、2020年の温州市の新生児数は、2019年の同時期に比べて19.01%減少した。安徽省合肥市政府が発表したデータによると、2020年の合肥市の新生児数は2019年に比べて約23%減少した。

 複数の中国メディアの報道によると、2020年の浙江省台州市の新生児数は2019年より32.6%減少し、2020年の浙江省平湖市の新生児数は2019年より21.17%減少したという。

 そのため、梁氏は2020年の全国の出生数は2019年より大幅に減少すると考えている。彼は、2020年の出生数は、ここ数十年で最も少ないのに対し、今後数十年では更に最多になる可能性が高いという。

 同氏は、中国の将来の年間出生数が再び1400万人を超えることはなく、1000万人以下に急落すると考えており、出生率を大幅に上げることができなければ、この減少傾向は続くだろう。

 専門家の分析によると、現在中国が低出生率になっている主な原因は、中国の不動産価格と教育費用が高すぎるからだという。子育てのコストが非常に高いため、若者の出産意欲が低下してしまっている。

(看中国記者・丁暁雨/翻訳・玉竹)

==看中国(Vision Times Japan)の許可を得ることなく、記事や写真、イラスト、動画等のコンテンツを複製、配布、送信、転載することはできません。==