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 中国の複数メディアの報道によると、中国華融資産管理の頼小民元会長は、巨額の賄賂を受け取ったとして、1月5日に死刑判決を受けた。

 報道によると、頼小民は総額17.88億元(約284億円)の賄賂を受け取ったほか、様々な横領行為からの累積額2,513万元(約3.9億円)、合計18億元(約286億円)以上を受け取り、1949年の中国共産党(以下略称:中共)政権発足以来、役人が受け取った賄賂の最高額の記録を更新したという。この事件は、中国の金融汚職事件の第1位と言われている。

 しかし、中共中央政法委員会の周永康前書記に比べれば、頼小民はおそらく最も腐敗した人物ではないだろう。中共の公式メディアは、周永康が1.3億元(約20.6億円)を横領し、権力乱用で14.86億元(約237億円)の損失を出したと報じたが、ロイターは、周永康一族が1000億元(約1.6兆円)近くを横領したと報じた。

 頼小民は、発覚を防ぐために、現金で渡すよう賄賂主に求め、お金を受け取った後、車である家宅まで行き、自ら金庫に入れるようにしていた。また、尾行を防ぐために、余分な回り道をしていた。彼は親しんだ友人などに、その家宅のことに触れた場合、「スーパーマーケット」という隠語を使っていた。そこに貯えられた現金は2億元(約32億円)以上に達した。

 「スーパーマーケット」に隠された巨額の現金は、頼小民の違法収入の一部に過ぎない。現金以外にも、不動産、高級車、ブランド時計、黄金、書画などを大量にもらっていたという。

 慎重にもかかわらず、頼小民の犯罪行為が発覚された。2018年11月、中共最高人民検察院は頼小民事件が検察庁に移送されたことを通知し、頼小民が逮捕された。2019年2月15日、頼小民は起訴され、2020年8月11日、17.8億元以上の賄賂を受け取った罪に問われ、2021年1月5日に死刑判決を受けた。

(翻訳・徳永木里子)