2012年2月14日、米国のバイデン副大統領(当時)はホワイトハウスで習近平副主席(当時)と会談した。(中国駐米国大使館ホームページより)

 米大統領選挙の結果はまだ読み取れないが、バイデン氏はすでに「次期大統領」と名乗り、メディアに大々的に報道されている。バイデン氏の「裏の支持者」と噂されている中国共産党は一歩遅れて、11月25日に中国共産党総書記習近平が自らバイデン氏に祝賀メッセージを送った。そして、中国国家副主席王岐山もハリス氏に祝電を送ったとされている。中国高層の態度の変化に様々な憶測が飛び交っている。

 米大統領選は法律闘争に入り、民主党の不正投票があったとトランプ陣営は複数の州で訴訟を起こしている。11月25日、中国共産党総書記の習近平は突然、バイデン氏に「当選」の祝辞を送った。同日、中国国家副主席の王岐山は民主党副大統領候補ハリス氏にも祝賀電話をかけた。中国共産党は以前の慣行では、米大統領選の最終結果が確認されてから祝辞するようにしている。なぜ習近平氏はそれを破り、バイデン氏に祝辞を送ったのか。そして、なぜもっと早く祝辞を送らなかったのか。

 習近平氏がいままでバイデン氏に祝辞を送らなかった理由として、バイデン氏と中国共産党の距離を懸念したからだと考えるアナリストもいる。米メディア『ナショナル・レビュー』はこのほど、バイデン一家は中国企業との往来が中国共産党との結びつきを示すだけでなく、中国共産党の秘密代理人である可能性もあると報じた。米上院は19日、バイデン候補の息子ハンター・バイデン氏の海外取引に関する最新の補足文書を発表した。この文書は、バイデン一家と中国共産党政権と直接的な経済的な繋がりを示す根拠となっている。トランプ氏も選挙戦の中、「バイデン氏が勝てば中国(共産党)が勝つ 」、「バイデン氏は社会主義者の操り人形だ」と繰り返し強調していた。

 最近、トランプ氏から受けた打撃が大きいために、習近平氏は我慢できずにバイデン氏への祝辞を表明したという見方も少なくない。メディア関係者の李林一氏は「トランプ政権が11月13日前後に中国共産党を制裁する一連の政策を導入した際に、中国外務省がバイデン氏に祝辞を送った。今回の習近平氏の祝辞も、トランプ政権が中国共産党に対抗する力を強め、中国共産党関連企業の89社への制裁案が出されたタイミングだった。これは、中国共産党への打撃が要所に当たったことを示している。習近平氏と中国共産党は耐え切れず、一刻も早くバイデン氏が当選することを期待し、さらにバイデン氏に好意を示そうとしている」と述べた。

 コメンテーターの唐青氏は「米大統領選での不正行為が発覚すればするほど衝撃的だ。トランプ氏は不正投票やドミニオンを見逃せないと誓った。善悪の戦いの真っ最中で、勝敗はまだ決まっていない。もしトランプ氏の当選を祝辞する時が来れば、習近平氏と王岐山氏はさぞかし恥ずかしい思いをするだろう」と話した。

(看中国記者・李文隆/翻訳・玉竹 )