アメリカ合衆国国務省の本部(AgnosticPreachersKid, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons)

 米ニュースサイトであるアクシオスによると、米国務省政策計画局は、中国共産党に対抗するための10のタスクが記された草案を公開した。

 74ページに渡る草案では、冒頭に「中国(共産党)はその行動により脅威となっており、大国間での文明的な競争ができない」と明記しています。 同草案は、強力な国際同盟と立憲民主主義の復興を求めている。

 「中国(共産党)という挑戦の要素(The Elements of the China Challenge)」と題するる草案は、政策計画局の創設者である米国の外交官ジョージ・ケナン氏が1947年に発表した、有名な論文「ソ連の行動の源泉(The Sources of Soviet Conduct)」から着想を得ています。

 ジョージ・ケナン (2005年死去)氏は、元米国の国策顧問、外交官、歴史家であり、冷戦期の米ソ封じ込め戦略の発案者です。1940年後半に発表された彼の一連の記事は、トルーマン政権の反ソビエト政策の基礎となりました。中国の専門家である程暁農博士は10月に、米中関係は今年7月以降、新たな冷戦状態に入ったと述べていました。

 共産主義に対抗する草案は、中国共産党の有害な行動とそのイデオロギー、弱点及び米国と同盟国がどのように対応すべきかに言及しました。

 この草案は、中国共産党に対抗するためには、基本的な米国の国策に立ち返る必要があると主張しています。つまり、官僚間と省庁間の争いを超え、短期的な選挙サイクルを超えた堅実な政策を展開しなければならなず、アメリカ全体の目標は自由を確保することであるべきだと指摘しました。

 10のタスク

 草案は、米国が達成すべき10のタスクを設けました。

 1.米国の立憲行政と公民社会を推進

 2. 世界最強の軍事力を維持

 3.ルールに基づく国際秩序の強化

 4.同盟システムの見直し

 5.同盟体制を強化して新たな国際機関を設立して民主主義と人権を促進

 6.適宜に中国と協力しながら北京政府を制限

 7.中国共産党が構成した挑戦をアメリカ人に認識してもらう

 8.中国共産党との大国競争を理解した新世代の公務員の育成

 9.複雑な情報化時代の公民の責任を学生に理解してもらうために、米国の教育制度を改革

 10.有言実行の自由原則を推進

 同草案は保守的なトーンを維持し、経済的自由と強力な軍事力を強調しています。

 中には「トランプ政権は、中国共産党の行動とその目標により、米国や他の国々が深刻な挑戦に挑まれ、新たな戦略を展開する必要があるとの結論に達した 」という記述が含まれています。

 米国のある高官はアクシオスに「新型コロナウイルスは世界に中国共産党という挑戦に目を向けさせたが、多くの人は世界秩序を再構築して世界を支配しようとする中国共産党の野心をまだ認識していません」と語りました。

 余茂春「ホワイトハウスではトランプ主義が続く」

 マイク・ポンペオ国務長官の中国政策・計画アドバイザーを務める余茂春氏は11月12日、ボイス・オブ・アメリカとのインタビューで、誰が大統領になろうと、中国共産党の行動に根本的な変化がない限り、米国の対中政策を変える必要はないと指摘しました。

 余茂春氏は、トランプ政権の最大の功績は、現政権が世界に共産主義中国に対し新たな戦略的定義を示したことだと述べました。

 まず、2017年末に発表された「米国の国家戦略」では、中国(共産党)の脅威が米国の国家的脅威として重要であることが明記されています。

 次に、米国は交流中心の対中政策を放棄したことです。

 第三に、トランプ政権は中国共産党と中国人民の関係を明確に区別し、中国共産党は中国人民を代表できないという単純で重要な概念を明らかにしました。

 この3点は、中国政策における理念の根本的な変化を表しています。余茂春氏は「世界の自由と民主主義に挑戦してきたのは中国共産党であり、トランプ氏の対中政策の最終目標は世界の民主主義と自由の存続を守り、権威主義に対抗することだ」と強調しました。

(看中国記者・肖然/翻訳・北条 )