四川省楽山市30万人もの市民が一斉に避難し、地元の交通が渋滞した。(イメージ:Weibo)

 四川省楽山市の五通橋地区では、2か月間2回も工場から有毒気体漏れが発生し、周辺市民が避難を余儀なくされた。

 複数メディアの報道によると、10月12日、五通橋区永翔路に廃墟となった希土類工場が発火し、キノコの雲のように濃い黒い煙が空を覆い、刺激的な匂いが溢れ、職員が一斉に逃げ出した。

 事件後、地方当局は有毒気体漏れが噂であり、公式メディアもこれは誤報だと報じた。現場で爆発はなく、廃墟となった工場の建物が燃えただけのことだとした。

 しかし、住民は、雨で1時間くらいで火が消えていなかったら、状況はさらに深刻になったかもしれないと話した。同様の事故が2か月以内に地元で2回も発生した。

 8月20日、五通橋地区の3大化学工場の1つである永翔会社で気体漏れが発生し、全区が白い霧に覆われ、空気が刺激的な臭いに満ちていた。爆発と噂されたため、30万人もの市民が一斉に避難し、地元の交通が渋滞した。

 オンラインのビデオや写真は、通りが避難の人や車でごった返し、高齢者が車椅子で逃げているところが見られた。一部のネットユーザーは「市内のすべての人々が逃げ出した。これほど多くの車輌を見たことがない」と言った。

 何人かの住民はエポックタイムズに、「多くの車が脱出中に交通事故に遭い、しかし車の所有者は構わず、ただ県外へ逃げようと必死になっていた。そして何人かの店主は店を閉めずに逃げた」と話した。

 その後、五通橋地区当局は、化学会社が「爆発」および「気体漏れ」を否定する多数のウェイボーを投稿した。翌日、当局は少量の塩化水素ガスミストが漏れたと認めた。

 地元は化学会社が多く、度々異臭を嗅いで具合を悪く感じると現地住民は不満を漏らした。政府の「否定」は真実を覆い隠している可能性が高い。

 公開報告によると、2013年5月には、地元の永翔ポリシリコンカンパニーが酸性ミストの拡散を伴う事故を起こした。牛華鎮の村人である陳芳氏は、過剰な量の塩素を吸入して中毒になり、7年間入院したにもかかわらず、補償されていなかった。医療証明書は、彼女が「塩素中毒と肺線維症」であることを示した。

 地元当局は、有毒気体漏れ事故の結果を隠蔽し、死傷者や財産の損失を事故は引き起こさなかったと述べた。

(翻訳・北条)