(イメージ / Max Pixel CC0 1.0)

 欧州連合(EU)経済社会評議会ルカ・ヤイエル(Luca Jahier)氏は7月16日、北京で開催された中国EU首脳会談の前に、中国と連携して米国の保護主義政策に対抗することはないと表明した。ヤイエル氏によれば、中国はEUにとっての重要な貿易パートナーではあるが、中国からの連携の申し入れには賛同することができない。

 ヤイエル氏によれば、EU側もトランプ氏の税関措置を反対しているが、米国は依然としてEUの重要な政治的、経済的パートナーである。「私も貿易保護主義には反対だが、状況を悪化させ、拡大させることは適切な対応ではない。我々は慎重に、過激な行為でもって過激な行為を制約してはいけない。貿易戦争は保護主義の立場で解決できると思わない」「EUは過去、それらの政策によってもたらされたひどい結果を見て、深刻な教訓を得た」と述べた。

 EUと中国の関係についてヤイエル氏は、「EUは中国にとって第二の貿易パートナーであり、双方の関係は非常に重要だ」と述べる一方、「EUは中国市場への進入に際し、依然として様々な困難に直面している、北京側が公正な競争を確保してくれることを求めている」とも指摘した。「EUはすべての国に平等な競争環境を提供しようと努力しているが、そのような環境を提供するにあたって、対等な関係は重要だ」

 中国市場への参入障壁や知的財産権侵害、そして政府によるハイテク産業への補助金といった問題を抱える中国に対し、EUと米国は同様の懸念を抱いている。しかし、トランプ大統領の税関措置によりブリュッセルとワシントンの関係が徐々に疎遠となっている一方、ワシントンと貿易戦争をしている中国がEUとの連携を模索し始め、WTOの中でトランプ大統領の政策に対応するためのグループを新設することさえ検討しているという。

 EUを丸め込んで米国に対抗しようとする中国の姿勢に対し、ヤイエル氏は「中国、米国、EUは共にWTOの加盟国であり、WTOのルールに従う義務がある。米中両国がこれを基礎として対立関係を改善することを望んでいる」とコメントした。

(翻訳・清水小桐)

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