イメージ:カッペリーニ / PIXTA(ピクスタ)

 近日、20年前に「最高機密」に分類された文書が海外で公開された。この「法発2000年第29号」、すなわち「法輪功宗教団体の違法および犯罪行為の厳重な取り締まりに関する意見書」(略称:意見書)は、2000年11月30日に最高人民法院、最高人民検察院、公安部、国家安全部(中国の諜報機関)、司法部(日本の法務省にあたる役所)の5つの省庁が共同で書いたものである。この意見書は、当時の党首である江沢民が法輪功を取り締まるための重要な指示を「各地の政法部門が断固として実施しなければならない」としている。

 あらゆる法律は、通常の立法手続きを通じて確立され、国民に知らせるために公に発表されるべきである。しかし、中国共産党の5つの省庁の「意見書」は、文書の中で法輪功学習者を直接定義づけており、司法で有罪判決にさせるために「国家権力の転覆と扇動」や「党と国家の指導者の名誉毀損」などの罪名を使用し、「刑事事件」として対処することを要求している。

 中国共産党の5つの部門は、「意見書」において、法輪功学習者の信仰と活動に多くの罪を被せただけでなく、「法輪功に関与する案件は政治性・法律性・政策性が強く、すべての政法部門が共産党委員会の指導の下、緊密に協力しなければならない」と述べた。

 法輪功学習者の無実を長年にわたって弁護してきた中国本土の弁護士陳建剛は、この意見書を見て「法輪功の案件で似たような資料を見たが、この文書を見たのは初めてだ。衝撃的だ!」と述べた。

 陳弁護士は公安部、国家安全部、司法部など5つの部門が共同で発行した「意見書」は、法的な観点からは、それ自体が違法な文書であり、法的な特徴や有効性はないと指摘した。「これは最高機密文書でもあり、つまり5つの部門が違法および犯罪行為に従事していることを示しており、公開できない性質のものだ。」

 陳弁護士は、文書に記載されている「刑法第300条」を分析した。「これは中国共産党が法輪功を迫害してから21年間で最も使用されている罪名、『宗教組織を利用して法執行を妨害する』というもの。しかし、法輪功は組織化されておらず、フリーな活動状態である。多くの法輪功学習者はお互いのことを知らず、参加するかしないかは本人次第である。彼らが『法執行を妨害する』というのは以ての外である。法輪功学習者が配っている資料は人々に彼らが迫害を受けている事実を伝えているのであり、いかなる裁判官も法輪功学習者が何を妨害したのかを指摘することができない。」

 中国共産党の「機密保護法」の第15条によると、最高機密文書の機密保持期間は30年を超えてはならないため、この極秘文書の機密保持期間はまだ10年あるはず。今公開されたことで、中国共産党が犯した集団絶滅罪をできるだけ早く明らかにすることができる。

坐禅中の法輪功学習者(イメージ:明慧ネット)

 ※政法部門:ここでの各地の「政法部門」は、各地の政法委員会、法院、検察院、公安局、国家安全局、司法局を含んでいる。

(翻訳・北条)