中国・南京信息工程大学の附属幼稚園で、衝撃的な不祥事が明らかになりました。子どもたちの給食を作る中華鍋で、厨房のスタッフが排水溝のふたやモップを洗っていたというのです。この幼稚園では以前、園児が集団で嘔吐する騒ぎが起きていましたが、園側は2か月以上もそれを伏せていました。
騒ぎが起きたのは、夏休み前の最終日にあたる6月30日です。昼食中に多くの園児が次々と吐き気を訴え、嘔吐しました。保護者たちは何度も説明を求めましたが、園側は9月に新学期が始まってからも沈黙を続けていました。
9月14日、同園の保健担当の教員で、給食の衛生管理も任されていた王さんが、SNSで内部告発に踏み切りました。王さんによると、食材はたびたび無断で持ち出され、野菜を洗うシンクで髪や靴を洗うのは日常茶飯事で、中華鍋で排水溝のふたやモップまで洗っていたそうです。園長に何度も改善を求めても、まったく取り合ってもらえなかったといいます。21日には、スタッフが中華鍋で排水溝のふたを洗う様子や、鍋にモップがつけ込まれた様子を写した写真もメディアに公開しました。
王さんは告発後、圧力を受け続けているといいます。告発当日の午後には、地元の行政機関の「幹部」が保護者たちに王さんの話は「デマ」だと説明し、訴えるとまで言ったそうです。園長も、保護者たちが防犯カメラの映像を確認していた際、「王さんが鍋でモップを洗わせたんだ」と責任をなすりつけたといいます。
批判の高まりを受け、地元の衛生当局はようやく調査に乗り出し、受診した園児は当日の17人と翌日の3人で計20人だったと保護者に報告しました。しかし保護者たちが独自に集計したところ、当日嘔吐した子どもは約50人にのぼります。21日、園側は園長や厨房スタッフ全員らを解任して人員をすべて入れ替え、現在は毎日、管理職が食堂に張りついて監督していると発表しました。
ネット上では「子どものご飯を作る鍋でモップ洗うとか、まともな人間のやることじゃないでしょ」「これはもう犯罪だよ」と怒りの声が相次ぎ、「初めて見るニュースじゃないけど、いまだにこんなことやってるなんて……」とあきれる声も上がっています。
中国では、こうした事件は珍しくありません。9月16日には遼寧省の中学校で生徒が集団食中毒を起こし、数十人が病院に運ばれました。地元当局は、食堂での調理の不備が原因だと発表しています。今年4月には、山西省の学校が生徒に傷んだ鶏肉を出していたことが、保護者の撮影した動画で発覚しました。子どもたちが臭くて酸っぱいと訴えても、職員は「嫌なら捨てれば」と言い放っただけでした。副校長は動画の削除を求め、保護者が断ると、今度は食堂の職員が保護者の営む店に押しかけて暴行を加えました。保護者が学校に抗議に行くと、別の職員にまで殴られたといいます。
甘粛省天水市の幼稚園では、嘔吐した園児を検査したところ、鉛中毒と判明しました。本来は食品に使えない鉛入りの絵の具を、食べ物の色付けに使っていたのです。233人の血中鉛濃度に異常が見つかり、園長ら8人が身柄を拘束されました。貴州省でも、生徒100人以上がサンドイッチを食べて集団食中毒になり、吐血や肝臓・腎臓の機能障害を起こした子もいました。保護者が地元政府に助けを求めても対応は遅れ、ネットに投稿した動画も一部が削除されています。
被害の隠蔽、告発者への圧力、そして投稿の削除。これらの事件では、同じ筋書きが何度も繰り返されています。中国共産党の一党独裁のもとでは体制の安定がなによりも優先され、利益を追う者はやりたい放題です。そしてそのツケを払わされるのは、いつも自分の身を守るすべを持たない子どもたちです。
(翻訳・吉原木子)
