米上院が決議を全会一致で可決 中国共産党を「犯罪組織」と宣言.
ワシントンD.C.に位置するアメリカ連邦議会議事堂(Kevin McCoy, CC BY-SA 2.0, via Wikimedia Commons)

 米国上院は2026年6月16日、異議なく全会一致でS.Res.444号決議を可決した。同決議は、中国共産党およびその指導者である習近平氏に対し、「世界を欺き、平和と安全の見通しを損ない、人道に対する罪を企てた」と非難するとともに、『グローバル・マグニツキー人権責任法』(Global Magnitsky Human Rights Accountability Act)に基づき、関連する中国共産党当局者に対する制裁の実施を奨励している。

 この決議で最も注目すべき点は、中国共産党を「世界の安定と平和に深刻な脅威をもたらす犯罪組織」と直接定義している点である。国際政治の用語において、競争相手や権威主義体制は政治的な評価に属するが、犯罪組織という表現は法的な性格づけに近いものであり、中国共産党の問題は政策の誤りではなく、その組織自体が深刻な犯罪行為を継続的に行う性質を持っていることを示唆している。この決議案を提出したフロリダ州選出の共和党上院議員リック・スコット(Rick Scott)氏は、上院での演説でこの点を特に率直に述べた。「習近平は我々を憎んでいる。共産主義中国は我々を破壊しようとしている。彼はパートナーでもなければ、競争相手でもない。彼は残虐な独裁者であり、犯罪組織を率いている。その組織は嘘をつき、欺き、盗み、奴隷労働者を搾取し、工業規模で虐殺や人道に対する罪を犯している。」

 今回の決議は上院で「全会一致の同意」(Unanimous Consent)により可決されたが、これは中国共産党をめぐる問題について、米国の共和党と民主党の認識が一致しつつあることを示している。すなわち、中国共産党は米国にとって最大の長期的な戦略的課題の一つであり、その人権状況は一般的な独裁国家の範疇を超えていること、そして米国はより強硬な封じ込めと制裁政策を講じなければならないということである。これは、米国の中華人民共和国に対する強硬政策が、大統領の交代によって覆されることはないことを意味している。

 人権問題に関しては、決議は中国共産党および習近平氏が長年にわたり深刻な人権侵害を行ってきたことに言及している。新疆やチベットなどの少数民族に対して大規模な拘束や政治的迫害を行っていること、香港で「国家安全法」を施行し、言論の自由や政治的権利を制限していることを非難している。また、決議ではキリスト教徒などの宗教団体に対する弾圧や、法輪功を学んだ人々などの政府に反抗する者に対する強制的な臓器摘出の疑惑についても言及している。

 これに加えて、決議は中国が大規模なスパイ活動やサイバー攻撃を行っていると非難しており、その中には2017年に米国の信用情報機関エクイファックス(Equifax)を標的としたデータ窃取事件や、近年米国国内で発覚した、中国政府との関連が疑われる複数の諜報活動が含まれている。

 経済・安全保障の分野では、決議は中国が世界貿易機関(WTO)に加盟した後、市場開放や知的財産権の保護といった公約を果たさず、長年にわたり不公正な貿易政策を実施しているほか、「一帯一路」を通じて海外での影響力を拡大し、融資やインフラ整備を利用して開発途上国に政治的・経済的圧力をかけていると批判している。スコット氏は演説の中で、西側諸国はかつて経済発展によって中国がより自由になるだろうと信じていたが、実際にはその逆であり、中国への巨額の資本流入がかえって中国共産党の経済的、軍事的、政治的な支配力を強化する結果になったと述べた。

 さらに決議は、中国が近年、台湾に対する軍事的圧力を強め続け、南シナ海およびフィリピン周辺海域で強硬な行動を取り、ロシア、イラン、北朝鮮と緊密な関係を維持していることが地域の平和と安定に対する課題となっていると指摘した。決議は特に、中国が武力によって台湾海峡の現状を変更しようとしていることが、国際社会にインド太平洋地域の安全保障情勢に対する懸念を引き起こしていると述べた。これについてスコット氏は次のように述べた。「中国共産党、とりわけ習近平の暴政下にある同党には、独特で邪悪な本質がある。彼らは世界を支配しようとしている。彼らにとって、それは自国民であるか否かを問わず、立ちはだかる者をすべて破壊することを意味する。我々は決して恐れてはならず、敵に立ち向かい、次世代のアメリカ人のために陣地を守り抜かなければならない。」

 この決議は法律ではなく、直接的な強制力を持つものではないが、中国共産党に対して『グローバル・マグニツキー人権責任法』を含む制裁手段を適用すべきであることを明確に打ち出している。例えば、資産凍結、ビザ制限、金融制裁、特定の個人や団体との取引禁止などが挙げられる。米国議会は、まず非難決議を可決し、その後、行政・立法措置を段階的に推進することがよくある。したがって、この決議は、今後中国共産党に対する制裁を行う上での政治的基盤となる可能性がある。

 米国上院は世界で最も影響力のある立法機関の一つとして、その公式文書は欧州議会、各国の議会、国際人権団体、メディア、学界などで広く引用されている。したがって、その国際的な波及効果は一般的な国会の決議をはるかに上回る。これは、国際社会における「中国共産党は組織的な人権侵害者である」という共通認識をさらに強固なものにするだろう。

(翻訳・文遠)