5月16日午前、山東省済寧市の汶上県第一中学校(日本の高校に相当)で、2千人規模の生徒による大規模な抗議活動が起きました。生徒たちは一斉に教室を飛び出して校庭に集結し、「休みをよこせ」と怒りの声を上げました。外では主権を争い、内では国賊を罰するという「外争主権、内懲国賊」という学生運動のスローガンが書かれた横断幕も掲げられ、現場は大きな歓声に包まれました。
ソーシャルメディアの投稿によれば、事の発端は前日午後の突然の通知でした。週末にあたる16日の下校時間を、通常の15時50分から17時50分へと一方的に遅らせ、試験を実施する為、拘束時間を延長するという内容です。これは、学生の生活時間を圧迫し、寮生が帰省バスに乗り遅れる原因となるため、瞬く間に全校生徒の怒りを買いました。
理不尽な規則に対し、生徒たちは黙って従いませんでした。15日の夜に人づてに連絡を取り 合い、行動計画を練り上げました。翌日午前9時50分頃、校舎3階にいた生徒たちが口火を切り、最終的に2千人以上が参加する抗議の波へと発展しました。その間、「我々は決して信念を曲げず、理をもって戦い、いわれのない不条理な規則には断じて屈しない」と記さられた檄文も広く出回りました。
背景には、学校側が生徒の休みを絶えず削り続けてきたという根深い問題があります。同校はいまだに休みが週にわずか24時間のみです。さらに現在の副校長が就任後、過酷な以前の学校生活制度を復活させようとしたことが決定打となりました。45分に及ぶ抗議の結果、学校側はついに譲歩し、当初の予定通りに下校させることを発表しました。要求が通ると生徒たちは冷静さを取り戻し、教室へ戻っていきました。
この出来事はインターネット上でも大きな反響を呼びました。「勇敢な若者を見ると未来に希望を感じる」「どうか身を守ってほしい」といった声が寄せられています。同時に、過酷な国内の競争状態や、過労のような負担を強いる現状を指摘する意見も上がり、高圧的な管理こそが現代社会の「生きづらさ」の縮図だと捉える人も少なくありません。
事実、今回の騒動は特異なケースではなく、近年、学校側の理不尽な管理や劣悪な環境に対し、各地で抗議が起きています。昨年9月には、広東省広州市の江南理工高級技工学校でも数千人規模の抗議活動が起きました。生徒達の寮は、入学前の説明とは異なり、すし詰め状態の12人部屋でした。9月7日、厳しい訓練を終えた生徒たちが寮に戻ると、断水でシャワーが浴びられないにもかかわらず、夜9時15分の消灯を強制されました。その後、停電でエアコンが止まり室内は耐え難い暑さとなりましたが、涼むために外へ出ようとすると、寮のドアが外から施錠されていたのです。怒った生徒たちは廊下に集まって学費の返還を求め、一部はドアを壊して外へ出て学校関係者と衝突しました。
同じ日の夜、貴州省畢節市威寧県の中等職業学校でも数千人による集団抗議が発生しました。直接の発端は携帯電話の使用禁止令でしたが、保護者達によれば、長期にわたる身体に悪い食事、劣悪な寮環境、教師の横柄な態度に対する鬱憤が爆発した結果でした。高額な費用に見合わない待遇への不満が爆発し、生徒たちは寮の窓から燃えるゴミなどを投げ落とし、強い抗議の意思を示しました。
同様の出来事は、山東省済寧市の鄒城第一中学校でも起きています。10月18日の夜、数千人の高校生が抗議行動を起こしました。原因は、日曜日に運動会を開催するため、本来1日半ある休みをわずか6時間に短縮したことでした。生徒の権利を無視した一方的な決定は強い反発を招き、彼らは金曜夜の自習時間に廊下に飛び出し、「休みをよこせ!」と一斉に叫びました。中には教務主任室のドアの前に寝転がって抗議する生徒もいました。
休日の削減や劣悪な環境をめぐる一連の抗議行動は、現代の中国の生徒たちが置かれている厳しい現実を浮き彫りにしています。過酷な学業ストレスと強権的な管理が重なり合い、学校は葛藤の絶えない空間へと変わりつつあります。しかしこれらの出来事は同時に、不公平と抑圧に直面した若い世代に、自らの権利を守ろうとする意識が着実に芽生えていることを示しています。彼らが団結と勇気をもって理不尽な管理に「ノー」を突きつける姿は、今の社会における変化の兆しを映し出していると言えるでしょう。
(翻訳・吉原木子)
