4月8日夜から9日未明にかけて、突如として発生した異常気象が中国の湖北省を襲い、武漢市では多くの市民が不安な夜を過ごすことになりました。

 その前日、武漢の気温は32度まで上昇し、まるで初夏のような陽気でした。しかし、わずか数時間のうちに天候は急変しました。現地の公式発表によると、この猛烈な暴風雨は9日午前0時頃にピークに達したとのことです。暴風雨の中、直径5センチを超える卵大の雹(ひょう)が降り注ぎ、秒速約40メートルにも及ぶ猛烈な突風が地面や建物に激しく打ち付け、凄まじい轟音を響かせました。

 多くの市民は当時の状況について、今でも恐怖を感じていると語っています。雹が窓ガラスに激突する音を「耳をつんざくような雷鳴のようだった」と表現する人もおり、防音用の耳栓をして寝ていた人でさえ目を覚ましたほどです。SNS上には当時の動画が次々と投稿され、ネットユーザーからは「まるでこの世の終わりのようだ」といった声が上がりました。被害を体験した市民の間では、大自然の猛威を改めて思い知らされたという声が広がっています。

 この暴風雨は武漢の各所に深い爪痕を残し、市内の中心部などでは特に被害が深刻でした。暴風と雹により多くの住宅で窓ガラスが割れ、破片が散乱しました。強風によって街路樹が折れたり根こそぎ倒されたりして道路を塞いだほか、一部の地域では停電も発生しています。同時に、短時間の局地的な豪雨によって深刻な冠水被害も起きました。郊外の黄陂(こうひ)区では、わずか3時間で降水量が100ミリを突破し、低地を中心に浸水被害が発生しました。一部の道路では深く冠水し、多くの自動車が水没して動けなくなるなど、交通機関にも大きな影響が出ました。

 実際には、この異常気象による被害は武漢市にとどまらず、湖北省の中東部全体に及んでいます。現地の気象当局の統計によると、9日午前までに暴風雨は省内の広範囲に広がり、多数の自治体が影響を受けました。極めて破壊力の高い雷雨や突風、雹も観測されており、データによれば、省内の各地で秒速20メートルから40メートルを超える記録的な暴風が吹き荒れました。武漢市内だけでなく、周辺の多くの地域でも深刻な雹の被害が次々と報告されています。

 中国全土に目を向けると、今回武漢を襲った異常気象は決して珍しいケースではありません。ここ最近、中国の様々な地域で気温の急激な変化や異常気象による被害が頻発しています。

 急激な気温の変化がもたらす影響は、暴風や雹だけにとどまりません。時に大規模な交通事故を引き起こすこともあります。数日前の4月3日、中国東北部の吉林省では、急激な冷え込みによって重大な事故が発生しました。同日の昼頃、現地の多くの地域では雨が降っていましたが、突発的な強い寒気の影響を受け、気温が一気に下がり、雨は急速に大雪へと変わりました。この冷え込みにより、現地の高速道路の路面は瞬く間に凍結し、ブラックアイスバーンと積雪に覆われました。極端な視界不良の中、路面がひどく滑りやすくなり、ブレーキが間に合わなかった30台以上の自動車が次々と衝突する多重事故が起きました。

 現場の映像には、多数の乗用車が追突して絡み合い、さらに大型バスが道路を塞ぐように停まり、そこに避けきれなかった車が衝突したり溝に転落したりしている様子が映し出されています。この突如とした冷え込みにより、高速道路は大渋滞に陥りました。多くのドライバーが長時間にわたって車内に閉じ込められただけでなく、吉林省内にある半数以上の高速道路料金所が緊急閉鎖される事態となりました。

 中国北部での大雪や冷え込みだけでなく、今年の3月末にも、中国南部で非常に激しい雷雨や突風などの気象現象が発生したばかりです。広東省の広州市や深圳市などでは、雷を伴う暴風や雹が次々と襲いかかりました。多くの地域で秒速30メートルを超える強風が吹き荒れ、昼間にもかかわらず空が真っ暗になるといった異様な光景が広がり、現地に大きな被害をもたらしました。

 気象専門家によると、春はもともと寒気と暖気が激しくぶつかり合う時期とのことです。多くの地域で気温上昇が続くと、大気中に不安定なエネルギーが蓄積されます。そこに強い寒気が勢いよく南下してくると、寒気と暖気が激しく衝突し、気温が一気に下がるだけでなく、局地的に極めて激しい雷雨や突風が発生しやすくなります。3月末の華南地域における昼間の暴風、4月初旬の吉林省での冷え込みによる多重事故、そして今回の武漢での特大の雹と、中国では最近、極端な気象による災害が立て続けに起きています。気候変動がもたらすこのような極端な天候の変化は、今後も各地でさまざまな影響を及ぼす可能性が指摘されています。

(翻訳・吉原木子)