中国では旧正月の連休を迎え、本来ならば多くの人々が帰省や旅行を楽しむ時期ですが、今年は各地で事故や自然災害が相次ぎ、波乱の幕開けとなりました。湖南省での消防車転落事故や、複数の省で起きた花火の爆発事故、そして雲南省での地震など、わずか数日の間に多数の死傷者が出る事態となっています。

 2月19日午後4時ごろ、湖南省婁底市新化県で痛ましい事故が起きました。現場の炉観鎮で消火と救助の任務を無事に終え、帰路についていた消防車が崖から転落しました。この事故で、車に乗っていた消防隊員6人が死亡、1人が負傷しました。事故が起きた新化県の西部は、最高標高が1500メートルを超える一方で最低標高は160メートル台と起伏が極めて激しく、以前から土砂崩れなどの自然災害が起きやすい地域でした。地元の情報筋やネット上の書き込みによると、現場周辺の「飛鵞界(ひがかい)」と呼ばれるエリアは切り立った崖が続き、急カーブや垂直に近い急勾配が存在するといいます。地元住民からは、「今は草木に覆われて分かりにくいが、道を作った当初は遮るものが何もない垂直の崖だった」「以前はガードレールもなく、路線バスで通るたびに足がすくむほど恐ろしい場所だった」といった声も聞かれます。現在、詳しい事故原因は調査中ですが、こうした険しい地形が深く関係しているとみられています。

 一方で、旧正月の祝賀ムードを一変させる爆発事故も連続して発生しました。わずか4日間の間に、花火や爆竹の爆発によって少なくとも20人が命を落としています。旧暦1月2日にあたる2月18日午後2時ごろには、湖北省襄陽宜城市鄭集鎮にある花火の販売店で大規模な火災と爆発が起きました。現場の建物は1階が店舗で2階が住居という構造でした。1階に大量に積まれていた花火に引火して次々と爆発し、発生した大量の黒煙があっという間に2階への階段を塞いでしまいました。現場に居合わせた村民は、「爆発が突然始まり、煙の回りが早すぎて2階の住人は逃げることができなかった」と当時の緊迫した状況を語っています。この事故による焼損面積は約50平方メートルに及び、12人が死亡しました。関係者によると、その中には大人4人と子供8人が含まれていたということです。

 これに先立つ2月15日午後にも、江蘇省連雲港市東海県石榴街道の東安村付近にある花火販売店で爆発事故があり、8人が死亡、2人が負傷する惨事となったばかりでした。中国応急管理部は、旧暦の大晦日にあたる2月16日午前に緊急のビデオ会議を開き、花火などの取り扱いに関する安全対策の再徹底を呼びかけていました。国務院安全生産委員会弁公室も連雲港市の事故を受けて指導や監督に乗り出していましたが、結果として同様の悲劇を食い止めることはできませんでした。

 さらに、人災だけでなく自然災害も人々を襲いました。2月17日午後11時5分、雲南省シーサンパンナ・タイ族自治州景洪市を震源とするマグニチュード4.6、震源の深さ10キロの地震が発生しました。シーサンパンナは旧正月の旅行先として非常に人気があり、当時は大勢の観光客で賑わっていました。震源の半径5キロ圏内にはタイ族などの集落が点在しており、震源が景洪市の市街地からもわずか12キロと近かったため、地元や周辺地域では約5秒から6秒間にわたりかなり強い揺れが観測されました。深夜の突然の揺れに驚き、ホテルの使い捨てスリッパを履いたまま慌てて屋外へ避難する観光客の姿も見られました。SNS上では、「スマホを見ていたら突然机が揺れた」「ベッドを強くドンと押されたように感じた」「犬が吠え出し、照明が激しく揺れ始めた」といったリアルな書き込みが相次ぎました。また、「浙江省から初めて旅行に来て地震を経験し、生きた心地がしなかった」「四川省から雲南省へ来たのに、地震に追いかけられているようだ」と、現地を訪れていた人々が恐怖を綴るなど一時騒然となりました。

 祝日を襲ったこれらの事故や災害に対し、ネット上では犠牲者の冥福を祈る声が多く寄せられています。本来であれば平穏に過ごせるはずの連休中に起きた悲劇の連続は、人々に安全への意識と命の尊さを改めて考えさせる出来事となりました。

(翻訳・吉原木子)