中国では間もなく、一年で最も重要な祝日である旧正月(春節)を迎えます。本来であれば一家団欒で新年を祝う喜ばしい時期ですが、各地で相次ぐ事故がその祝祭ムードに暗い影を落としています。重工業地帯に響く轟音から、街角での花火による悲劇に至るまで、旧暦の年末シーズンに入って以来、火災や爆発事故が頻発しており、深刻な人的被害と財産的損失をもたらしています。
2月14日の午後4時過ぎ、まさに旧正月を目前に控えたこの日、湖南省にある大手鉄鋼メーカー「湘潭鋼鉄集団」の工場敷地内で突如火災が発生し、数回にわたる爆発が起きました。SNSなどで拡散された動画には、現場から激しい炎が立ち上り、巨大な白い煙が「キノコ雲」となって空を覆う様子や、混乱の中で作業員たちが安全な場所へ避難しようと走る姿が映し出されています。この事態は周辺住民を震撼させ、多くの人々が不気味な轟音を耳にしました。ある目撃者は「屋上で布団を干していたら、キノコ雲が上がるのが見え、救急車のサイレンも聞こえました」と語っています。また、近隣住民からは「突然ドーンという鈍い音が響き、家全体が揺れました。衝撃波で窓ガラスが割れ、家の中の水がめまで壊れてしまったほどです」といった声も上がりました。近くの公園で日光浴をしていた市民の中には、晴天にもかかわらず雷が落ちたのかと勘違いした人もいたようです。
この事故を受け、地元の湘潭市応急管理局は2月15日に公式発表を行い、事故の原因について「湘潭鋼鉄集団が停電トラブルへの対応を行っていた際、4号高炉エリア付近のガス配管で火災が発生したため」と説明しました。15日の未明2時40分までには鎮火し、当局は「死傷者は出ていない」としています。湘潭鋼鉄は、湖南省最大の国有企業である華菱鋼鉄集団の中核企業であり、その安全管理体制には常に注目が集まっています。しかし、過去の類似事故において情報開示が遅れた経緯などから、今回の事故がもたらす真の影響について、外部からは依然として疑念の声が聞かれます。実際、ここ最近の中国における産業安全の状況は非常に厳しいものがあります。1月18日には内モンゴル自治区の製鉄工場で強力な爆発が発生し、2名が死亡、8名が行方不明となりました。その翌日には湖北省鄂州の工場で火災が起き、2月7日には山西省朔州市のバイオテクノロジー企業の工場で爆発があり、少なくとも8名が犠牲となっています。
工業分野での事故に加え、年の瀬の雰囲気が高まる中、お祝いに欠かせない花火や爆竹による悲劇も多発しています。湘潭での事故翌日、2月15日(旧暦12月28日)には、江蘇省連雲港市東海県にある東安村で、悲惨な爆発火災事故が発生しました。現地メディアの報道によると、当日午後2時半頃、ある村人が花火販売店の近くで花火を打ち上げていたところ、強風に煽られた火の粉や高温の残骸が店舗に燃え移ってしまったのです。これにより、店内に大量保管されていた爆竹に次々と引火し、連鎖的な大爆発が引き起こされました。現場は民家が密集するエリアであり、周辺に多くの住民がいたこともあって被害が拡大し、鎮火したのは午後4時過ぎのことでした。当局はその日の夜、この事故により8名が死亡、2名が負傷したと発表しています。
同様の花火による事故は、その数日前にも起きていました。2月11日、遼寧省盤錦市の長湖新城付近で、路上で花火や爆竹を販売していた露店が火災を起こし、爆発しました。現場の映像では、炎が夜空を赤く染め、爆発音が絶え間なく鳴り響く様子が確認できます。火災は長時間続き、隣に停めてあったトラックの運転席までもが無残に焼け落ちてしまいました。現地の当局は「火災による死傷者はなし」と発表しましたが、目撃者やネットユーザーにとって、30分も続いた大火災による経済的損失はあまりにも大きなものでした。事情を知るあるユーザーの試算によれば、店主の損失額は17万元(約350万円)に達すると見られています。
湖南の製鉄所での恐怖、江蘇での致命的な爆発、そして遼寧での財産の消失。これら立て続けに起きた災難は、本来ならば新年を祝うはずだった多くの家庭を、深い悲しみと苦境の底に突き落としました。盤錦の露店商が遭った災難に対し、ネット上では同情の声が寄せられています。「もうすぐ年越しだというのに、商売の元手まで失ってしまった。一家にとっては、まさに天が崩れ落ちるような絶望感でしょう」。
(翻訳・吉原木子)
