社会統制がますます厳しさを増す中、中国の人々の間では、長年の抑圧によって蓄積された不満が恐怖心を乗り越え、もはや隠そうともしない抵抗の感情となって広がっています。最近、中国本土の複数のSNSプラットフォームでは、民衆が当局のタブーに公然と挑む、いわゆる「タブー破り」の現象が急増しています。その言動はもはや陰湿な風刺にとどまらず、より直接的な表現へと変わってきています。

 SNS上の情報を総合しますと、2月10日、中国版TikTok「抖音」で衝撃的な動画が拡散されました。「中華民国国歌」という検索ワードの下、ある男性がカメラに向かい、決然とした表情で替え歌を高らかに歌い上げたのです。その歌詞は「共産党を打倒する為、北京へ向かう。習近平を逮捕し、特権階級の二世を排除する。そして中国を解放し、中華民国を復興させる」という、政権転覆を真っ向から訴える内容でした。この動画は瞬く間にネット上で拡散され、閲覧数は短期間で47万回を超えました。至る所に張り巡らされた実名制によるビッグデータを活用した監視社会という環境下において、このような行為は警察による呼び出しや、さらに重い法的責任を問われるリスクが非常に高いものです。しかし、コメント欄は懸念の声以上に、その勇気を称賛する声で溢れかえりました。「もしこのような声が海のように集まれば、この国にも希望がある」と感嘆する人々がいる一方で、自身の安全を守ることを前提に、技術的手段を用いてファイアウォールを越え、国際的なインターネット上で中国人としての真実の声を上げるよう呼びかける動きも見られています。

 このような民意の爆発は、決して偶然ではありません。それは最近、抖音で「圧力鍋が爆発する前の兆候」という、極めて隠喩的なワードが人気を博していることからも見て取れます。話題の動画では、赤みがかった旧式の圧力鍋が沸騰の頂点に達し、蒸気弁からは鋭い音と共に白い蒸気と気泡が激しく噴き出しています。鍋自体が小刻みに震え、今にも圧力に耐えきれず爆発しそうな様子が映し出されているのです。ネットユーザーから「今年最も大胆な動画」と評されたこの投稿には、少なくとも3万2千人が共感やコメントを寄せ、これこそが現在の中国社会の現状を生き生きと映し出したものだと、暗に論じ合っています。

 こうした焦燥と怒りの感情は、ネット上だけでなく、オフラインの現実空間にも波及しています。河南省にある印刷店のチャットグループでは、驚くべき会話が展開されました。ある客が最高指導者に対する抗議ポスターの印刷を公然と要求したのです。その図案は、習近平氏が高い場所に立ち、その下にいる労働者が彼を指差して「このクズ野郎、下りろ」と罵倒しているものでした。店員の「警察に通報した」という脅しに対し、この客は恐れることもなく、「私は駐馬店にいる」と平然と返答しました。ネット上の不満が、現実世界での直接的な対決へと変わった瞬間であり、その姿勢は多くの人々を震撼させました。

 同時に、ネット上では政治的タブーに触れる議論も公然化しつつあります。快手や抖音といったプラットフォームでは、「六四天安門事件」に関するショート動画や戦車の写真が相次いで投稿され、コメント欄は瞬く間に歴史の真実を追求し、民主化運動について議論する場と化しました。動画共有サイト「B站)」のユーザーはさらに意味深長に、中国共産党第20回党大会で胡錦濤氏が会場から強制的に連れ出される様子や、習近平氏と李克強氏がやり取りする比較写真を投稿し、一つの時代の終焉に対する嘆きを無言のうちに表現しています。さらに抖音上では、中華民国初期に民主的な議員内閣制を提唱した宋教仁氏の肖像画やその政治主張を投稿する者も現れました。それを見たネットユーザーたちは「我々はかつて、文明国になるチャンスを逃した」と嘆き、晩年に党の禁止を解いた中華民国第3代総統蒋経国氏の往事を引用し、立憲民主主義への渇望を遠回しに、しかし力強く訴えています。

 これらすべての現象の背後に映し出されているのは、長期にわたる高圧的な政治環境と、市民生活の苦境との間の激しい緊張関係です。過酷な言論統制の下でも、現実の問題は依然として後を絶ちません。多くの人々が失業の危機に直面し、子供や若者の相次ぐ失踪は、臓器狩りの闇に対する深い恐怖と疑念を呼び起こしています。また、無実を訴える術を持たない多くの陳情者の境遇は、社会の不安感を一層増幅させています。都市の至る所で見られるホームレスの姿は、経済の減速がもたらす切実な痛みを訴えかけているかのようです。ある評論家が指摘するように、現在の社会の雰囲気は巨大で息苦しい「監獄」のようであり、今まさに次々と起きている「タブー破り」の数々は、高圧的な状況下で民意が束縛を打ち破り、出口を求めようとする真実の姿を映し出しているのです。

(翻訳・吉原木子)