中国国家統計局が最近発表した最新のデータによると、今年2月に全国の都市の失業率は5.3%に上昇し、2023年8月以来の最高水準に達しました。国有企業や外資系企業も給与を削減し、中国国内で失業の波が広がっています。

孔さん、大手国有企業で8年以上働いた後に解雇された

 最近、中国国内のネット上では、中央企業が従業員を解雇するという情報があふれていると大紀元時報が報じました。

 江蘇省に住む孔さん(男性)は中国の東北出身で、今、個人メディアをやっています。彼はかつて、約1万人の大手国有企業で8年以上働いた経験があると述べました。

 彼は自分の状況を次のように述べました。「去年の10月に解雇された。どれほど優秀で、高学歴であっても、コネを持ってなければ、解雇は交渉の余地がないのだ。私はコネもなく、上司に対してお世辞もできないので、解雇された」

 孔さんは、その国有企業の上司に騙されたことがあると語りました。「私をチームリーダーにしてくれると上司に言われたが、昇進はあっても給料は上げてくれなかった。理由は会社が稼いでいないからだった。しばらく我慢し、会社が利益を上げたら昇給すると言われた。しかし、それも嘘だとわかり、直接拒否した」

 孔さんは解雇された後、ずっと仕事を見つけられず、実家の親にも失業したことを伝えられず、貯金を切り崩して生活をしています。

 彼は最近、小麦粉や雑穀の粉をこねて焼いた平たく大きな食べ物「大餅(ダービン)を販売する店を開業し、生計を立てています。しかし、彼は、「本当につらい!仕事があるなら、絶対に店を開くことを選ばないでください。このつらさは実際にやらないと理解できないだろう」と嘆いていました。

国有企業の賃下げ、馬さんの友人の苦悩

 多くの人が、「今や中央企業も安泰ではない」と嘆いています。昨年から中央企業は人員削減を始め、5%の割合で人員削減し、今年は10%の割合で削減するという報道もあります。

 江蘇省の個人メディアである馬さん(男性)は3月29日の投稿で、彼の友人が南京市のある国有企業で働いており、すでに賃下げが始まっていると述べました。

 馬さんの友人は2007年に月5~6千元(約10~12万円)の収入があったと述べました。一方、当時工場で働いていた馬さんは、月給がわずか1000元(約2万円)余りで、「当時、友人の給料が本当にうらやましかった」と述べました。

 馬さんの友人は最近、彼を訪ねてきて、勤務先の国有企業がすでに数年も給与を引き上げておらず、さらに去年から賃下げされていると述べました。

 なぜ給与が減らされたのか尋ねたところ、友人は、「(国有)企業の収益が以前よりも悪化していることが主な原因だ。また、今の国有企業の待遇も以前より悪くなり、福利厚生も減少している」と答えました。

 馬さんは、「一般人にとって、国有企業、学校、病院は、政府などの公共機構に保護されている非常に良い職業である。国が無くならない限り倒産しえず安定している。一般人がこれらの組織に入るのは難しく、高学歴が求められる。少なくとも大学院生でなければならず、大学生でも採用されないことが多いのだ」と述べました。

 彼の友人はまた、給与や福利厚生の待遇が下がったため、転職や転業などを試みようとしたが、転職しても収入が上がるとは限らないし、転職後に状況がさらに悪化した場合、家族からのプレッシャーに直面しなければならず、今後の人生にも影響されるのではないかと悩んでいると明かしました。そのため、彼の友人は現在、非常に厄介な状況に置かれています。

天津市の高さんのケース

 天津市に住む高さん(女性)は、国有企業なら解雇されないと夫婦で思っていたので、2014年に夫が国有企業に入社できたとき、とても喜んでいたと述べました。「長く安定した仕事が見つかり、失業の心配もなく、再就職のプレッシャーもなく、定年まで働けると思っていたが、まさか昨年の年末に解雇されるとは思わなかった」

青島市の女性のケース

 山東省青島市のあるネットユーザー(女性)は、32歳で既婚、現在は妊娠中です。かつてはある国有企業の事務主任として8年間勤務してきました。彼女は企業の古参従業員で、解雇の心配はないと考えていたが、昨年10月に解雇されました。職を失い、専門的なスキルもないため、2ヶ月の間にいくつもの面接を受けたが、すべて失敗に終わりました。最終的にはフライドチキン店でアルバイトをすることになりました。

中国のテンセント、1万人がリストラされた

 2022年から、中国のIT企業やテクノロジー企業で大規模な解雇が相次いでいます。あるユーザーは最近、職場関係のコンテンツ・コミュニティに、ある大企業が従業員の10~30%を解雇し始めたと投稿しました。この投稿で名指ししたPCGとCSIGの事業グループは、すべてテンセント傘下の子会社であると明確に言及しました。

 テンセントの広報担当者である張軍氏は、個人のウェイボーアカウントで、上記の情報を否定する内容を転載したにもかかわらず、この投稿は依然としてネット上で拡散されています。

 携帯電話ポータルサイト「快科技」の記事は、テンセントの2023年第1四半期の財務報告によると、2022年3月31日時点でテンセントの従業員数は116,213人、2022年12月31日には108,436人、2023年3月31日には106,221人に減少したと報じました。データを見ると、2022年3月31日から2023年3月31日までの間に、テンセントの従業員数はほぼ1万人減少し、総従業員数の8.6%を占めています。

 35万人のフォロワーを持つ四川省の個人メディア「西康」は、最近投稿した動画で、テンセントの解雇に関する情報がネット上で拡散していることを見て、失業の波が今まさに中国各地に広がっているだろうと述べました。

米投資銀行、中国での従業員を大幅に削減

 ロイター通信3月6日の報道によると、アメリカの投資銀行モルガン・スタンレーの中国の資産運用部門、モルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメント・チャイナは、従業員の約9%を削減したと関係筋が明らかにしました。

 中国国内株式市場の低迷で資産運用業界の見通しが不透明になっていることが背景にあります。同社は12月に人員削減を開始し、15人程度が影響を受けたとのことです。

 モルガン・スタンレーは2023年に合弁相手から株式を買い取り、完全子会社化し、社名も変更しました。人員削減は買収後初めてのものです。

 開示資料によると、運用資産は2023年末時点で198億元(約4.15兆円)と、2021年6月のピークから53%急減しました。合弁相手の華興証券の決算によると、同部門は2022年に4850万元(約10.18億円)、2023年上半期に2320万元(約5億円)の営業損失を計上しました。

(翻訳・藍彧)