中華民国2020年総統選挙立候補者である韓国瑜、蔡英文及び宋楚瑜(イメージ/ 看中国・合成写真)

 日本の学者が12月8日にあるシンポジウムにて、中国共産党が中華民国2020年総統選挙に深く介入していると警告した。来年1月の総統選挙までに裏手を使い立候補者を暗殺し、選挙が無効にすることにより、台湾を大混乱にさせる狙いがあると指摘した。一方、海外に亡命した中国の学者もこの種の工作に関する様々な事実を暴露した。

 台湾の「聯合報」の記事によると、日本の国際政治学者である藤井晋喜のチームが主催する「自由で開放的な台湾を守る─ONE TAIWAN」シンポジウムは、藤井晋喜氏本人、台湾独立建国連盟日本本部国際部長の林建良氏、独盟日本本部委員長の王明理氏、日本李登輝の友会会長の渡辺利夫などが出席し、会話方式で来年台湾の総統選挙を分析すると共に、中国共産党が裏での「仕業」を指摘した。

 藤井氏が最初の30分ぐらいの演説で、台湾が東アジアにとっての重要性を説明。そして、中国共産党過去の歴史から見ると、毛沢東の「銃を手に握ったら政権が手に入る」という思想により、中国共産党が昔から政権を手に入れる手段は「選挙」でなく、「殺し」なのだと指摘する。

 また、2004年に陳水扁(当時の総統)が選挙直前に銃撃を受け重体になったことや、2010年に連勝文が銃撃され、5都市の選挙状況まで影響を及ぼしたことは、いずれも中国共産党が裏で仕掛けていたのだと藤井氏は暴露した。今回の選挙前に、中国共産党が同じ手口で台湾の政治を混乱させると同氏は心配しているという。なぜかと言うと、例えば立候補者の韓国瑜や宋楚瑜が銃撃されるなどの状況が発生すると選挙が無効になる。この場合、与党の蔡英文政府がしばらく施政し続けられるのだが、台湾は間違いなく今まで経験もしなかった大混乱に落ちてしまう。これは中国共産党が望んでいる結果になるというわけだ。

 民進党が総統選挙でも立法委員選挙でも優位を占めているにも関わらず、中国共産党に十分に注意を払わないといけないと藤井氏は注意喚起した。

 例を挙げてみると、2004年3月19日、即ち中華民国総統選挙の前夜、連続当選を果たそうとする総統の陳水扁と副総統の呂秀蓮が銃撃され負傷した事件は、「政権交代」と視されていたほどその翌日の選挙結果に大きく影響した。

 その事件から15年、海外に亡命している中国学者の袁紅氷氏は12月9日に台湾の「三立新聞」(テレビニュース)にて、当時の「3・19銃撃事件」は中国共産党が裏で仕掛けた仕業だと暴露した。当時中共中央弁公庁副主任の令計画らが台湾の総統選挙を操縦するために、当時の陳水扁総統に「敢えて殺さない襲撃」をしていた。もし、当時彼らの陰謀が遂行したら、台湾の未来は共産党化になるだろうという。

海外に亡命している作家である袁紅氷氏(三立新聞の動画のスクリーンショット)

 一方、「3・19銃撃事件」の容疑者である陳義雄がいきなり溺死した疑惑も、中国共産党のスパイが自殺に見えるように仕掛けたと袁紅氷氏が暴露した。

 また、2010年11月の選挙前夜に、当時台北県議会副議長の陳鴻源氏の宣伝エベントで、国民党中央委員の連勝文が銃撃され重体となった事件も、中国共産党が台湾の選挙を操縦するために裏で仕掛けた仕業だと袁紅氷氏が暴露した。

 袁紅氷氏のこの発言は既に2017年に発表された。今回このタイミングで再び言及したのは、藤井晋喜氏からの警告、及びオーストラリアに亡命した中国共産党の元スパイであった王立强氏が暴露した中国共産党が台湾浸透の様々な実情と合致している。

 それに対し、12月9日に蔡英文総統は、「今回選挙の最後段階に謹慎に直面しなければならない問題で、政府のセキュリティ部門は全ての立候補者の安全を守るように力を尽くす」と答えた。

(翻訳・Jerry)