中国では、湖北省武漢市や遼寧省大連市などの市民たちが安すぎた医療補助金のために抗議の声を上げている中、中国共産党(以下、中共)の幹部の医療補助金における特権が明らかにされている。このほど、中共の定年退職した幹部は病院のICUで寝たきり状態が続いた4年間、1400万元(約2.7億円)以上の医療補助金が投じられたという情報がネットで流れている。

 中国の元メディアマンの趙蘭健(ちょう・らんけん)氏は13日、ツイッターで動画を投稿した。動画では、冒頭に「このような病人、救う価値はあるのだろうか?このような制度、改革しなくてもいいのだろうか?」と問いかける男性の姿が映っている。

 男性によると、中共の定年退職した元幹部は、病院のICUで4年間も寝たきり状態だった。入院期間中、眼球以外の身体の部位が一切動かず、他人とのコミュニケーションもできなかった。4年間治療した結果、臓器不全で死亡した。一日の入院費用「1万元(約20万円)」から概算すると、元幹部の4年間の入院費用は「1400万元(約2.7億円)」だと推測される。

 男性は、この元幹部が高層幹部だったため、退職後でも月俸3万元(約60万円)が入手でき、病院で寝たきりの4年間でも100万元(約2,000万円)以上の月俸がもらえると動画で指摘した。「この幹部の医療費用はほとんど医療補助金から拠出されているのでは」と分析し、「得をするのは誰なのか、損をするのは誰なのか。皆さんもはっきりとわかっているのだろう」「私たち一般市民の一人ひとりが負担しているのだ」とも述べた。

 ラジオ・フリー・アジアのコラム報道によると、江沢民政権時代から、中共政権の定年幹部はレベルを問わず、「健康食品代」を含める全ての医療費用が公費で全額負担されている。中共の副部長(日本の副大臣と相当する)とそれ以上の高級幹部は、専門病院や高級幹部専用病室に長年住み込むことができ、世界で最も先進的で高価な薬や最上級の医療ケアを享受でき、一日で数万元を費やすことも多々あるという。中共公式メディアは2013年、ある高級幹部の一回の入院費用は300万元(約6,000万円)に達したと報じた。

(翻訳・常夏)