ソロス氏(Niccolò Caranti, CC BY-SA 3.0 , via Wikimedia Commons)

 億万長者で著名な投資家のソロス氏は2月16日、「ロシア帝国は侵略戦争によって崩壊するかもしれない」「習近平氏の極端な防疫政策『ダイナミックゼロコロナ』は政権発足以来最大の失敗で、国民を公然たる反抗の瀬戸際に追い込んだ」という2つの衝撃的な予測を述べました。中国共産党は「政権交代か革命か」に直面しています。

 ボイス・オブ・アメリカ2月17日の報道によると、ロシアのウクライナ侵略戦争の1周年が近づく中、ソロス氏は16日にドイツで開催されたミュンヘン安全保障会議の講演で、気候、ウクライナでの戦争、ロシア帝国の崩壊、及びプーチン氏と親しい中国共産党の習近平氏に言及しました。

 ソロス氏は2つの予測を行いました。1つは、ロシアがウクライナ侵略戦争で負ければ、必然的に「ロシア帝国」の崩壊につながり、旧ソ連諸国はそれを歓迎するというものです。2つ目は中国に関する予測です。つまり、中国の習近平総書記は現在、すべての圧政のツールを握っているが、権力の座に長く留まる可能性は低く、政治的・軍事的強権の夢は実現されず、中国は「政権交代または革命」に直面するだろうというものです。

 ソロス氏は、米国が確かにウクライナを支持しているが、バイデン大統領はウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領に、第三次世界大戦の勃発を避けるために、できることには限りがあると警告していると明かしました。しかし、ソロス氏はその情報源を明示していません。

 「これは、ウクライナでの勝利がロシア帝国の崩壊につながることを意味する。ロシアはもはやヨーロッパや世界に脅威を与えることができなくなるだろう」「それはとても良い、大きな変化だろう 」とソロ氏は述べました。

 中国側では、習近平氏が大きな敗者になるだろうとソロス氏は言いました。プーチン氏との親密な関係は、習氏にとって有益よりも害をもたらすでしょう。

 習氏が直面している問題のほとんどは、彼自身がこれまで行ってきたことによって引き起こされたことであるとソロス氏が述べました。「ダイナミックゼロコロナ」という極端な防疫政策は、習氏が政権を握って以来、犯した最大の過ちであり、国民に多大な苦痛を与えただけでなく、国民を公然たる反抗の瀬戸際に追いやっています。習氏が圧力に負けて、突然封鎖を解除し、感染拡大を招き、国民の不満をさらに大きくし、共産党に対する国民の信頼を揺るがしました。

 「現在の状況は、政権交代または革命の機が熟している」とし、 「しかし、これはまだ始まりに過ぎず、その影響は長い時間をかけて現れるものだ」とソロス氏が述べました。

 「短期的に見ると、習近平氏は圧政のあらゆるツールをしっかりと手にしているので、権力は維持されるだろう。しかし、習近平氏が終身政権に留まることはない。それに、習氏が権力を握っている間、中国は彼が望むような世界の政治・軍事の主導的な大国にはならないと思う」

 江沢民が権力を握っていた頃、ソロス氏は中国共産党と密接な関係を持っていました。しかし、近年、ソロス氏は何度も中国に矛先を向け、対中投資も楽観視できないと見抜いています。ソロス氏が習近平氏を見下していると外部に見られています。

 ウォール ストリート ジャーナルは2021 年 8 月 13 日、「習近平の独裁は中国国家を脅かす」と題するジョージ・ソロスの署名入り記事を掲載しました。習近平氏は個人的な権力を求める過程で、中国の発展における鄧小平の影響力を排除することに生涯を捧げ、中国共産党はレーニン主義政党であるべきだと固く信じていると記事に書かれました。

 習氏が運動を起こし、鄧小平の支配の遺産を廃止しようとしており、言いなりの共産党幹部に囲まれる共産党独裁者になることで、権力の牽制がない中で、現実の変化に政策を合わせることが難しくなるだろうと、ソロス氏が分析しました。また、習近平は多くの内部対立に悩まされ、指導力の凝集力と有効性を大きく低下させることでしょう。

(翻訳・藍彧)