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 中国の人口が2022年に41年ぶりの減少となり、この変化は世界の経済と秩序に深刻な影響を及ぼすと、複数の人口学者は指摘した。

 ロイター通信13日の報道によると、2022年の中国の出生数は史上最低値の1000万人以下まで下がった。この数字は2020年より11.5%も低くなっているという。

 米カリフォルニア大学社会学科の王峰(おう・ほう)教授は、「歴史的な転換に伴い、中国はすでに長期的で不可逆的な人口減少のプロセスに入っており、これは中国史上でも、世界史上でも初めてのことだ。80年も経たない内に、中国の人口規模は45%も減少する可能性がある」と指摘した。

 中国最大の検索エンジンである「百度(バイドゥ)」のデータによると、2022年に「ベビーカート」のオンライン検索は17%減少し、2018年より41%減少した。「哺乳瓶」の検索数は2018年より3分の1以上も減少した。一方、高齢者介護施設関連の検索数は8倍に急増したという。

 社会の高齢化は中国の経済に深刻な影響を与えている。人口学者の易富賢(えき・ふけん)氏は、2050年には中国の65歳以上の人口の割合が37%に達するだろうと予測した。同氏はまた、「急速な高齢化は中国経済の成長を減速させ、中国人の収入を減少させ、中国政府の債務を増加させている。中国はまだ富裕になっていないのに、先に高齢化社会になっている」と述べた。

(翻訳・吉原木子)