欧州連合(EU)衛生安全委員会はこのほど、加盟国は中国で発生した感染拡大に対して、一致した予防・制御方法で、中国がもたらすリスクに対応することに同意したと表明した。

 ロイター通信によると、EUは3日にブリュッセルで会議を開き、4日までに27の加盟国のほとんどが中国人旅行者に対する感染状況の監視措置を希望しているという。

 委員会の責任者であるステラ・キリアキディス(Stella Kyriakides)氏は、委員会は中国からの旅行者に対する出発前の検査、唾液PCR検査の強化、入国時の検査などを含め、的確な措置の制定に力を入れていると述べた。

 中国当局は中国での感染拡大が深刻になってきたにもかかわらず、中国公民の国外旅行を再開したため、EUは中国人旅行者が国内での感染リスクを高めると懸念している。これに対して、EUは8日までに対策を打ち出そうとしている。

 世界保健機関(WHO)のウイルス学者であるグッバーマンス氏は、「すべての人がより真実なデータを見たいが、北京は信頼できるデータを公表せず、国際社会の利益を損ねた」と非難した。

 WHOは3日、中国の専門家グループと非公開会議を開催した。会議内容は公表されていないが、会議に参加したWHO専門家によると、北京当局は700の症例データしか提供しなかったため、中国での感染拡大の実態を外部から知ることができなかったという。

(翻訳・吉原木子)