Henley & Partners社ロゴ(看中国合成写真、Henley & Partners, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons)

 中国の厳しいコロナ対策と経済減速の中で、約1万人の中国人富裕層が中国からの脱出を考えていると、ブルームバーグが19日の特集記事で掲載した。合計480億米ドル(約6.6兆円)を引き揚げると推定される。

 記事によると、投資移民コンサルタント会社であるHenley & Partners社は、1万人の中国人富裕層が移民を検討しているという。つまり、中国はロシアに次ぐ富と人口の流出先となる。しかし、中国共産党政権が彼らを離させるかどうかは疑問になる。

 移民弁護士によると、ここ数カ月でパスポートの処理時間が延長され、必要書類が増えたため、中国人の移民が難しくなっているという。また、中国から多額の資金を移動させることもさらに難しくなっている。

 今年の第20回党大会で、習近平氏が第3期を勝ち取ることが期待されており、中国共産党政権は「安定の維持」を重要な位置に置いていると記事が言及した。しかし、中国経済への本当の打撃は人材と富の流出である。

 上海での2カ月間のロックダウンが終わった後、多くの経済力のある上海人は、そこを離れる方法を探している。上海に住む数多くの有名人、劉嘉玲氏、彭于晏氏、蔡少芬氏などが香港に戻り、李立群氏、劉畊宏氏は台湾に戻った。

 上海のレストラン経営者である胡さん(46歳)は、カナダに移住する意向があるとブルームバーグに語った。「中国で最も発達した都市で、都市封鎖の初めに私は餓死しそうになったことを想像できるか」

 胡さんは最近、上海にある2つの高級レストランの株式の大部分を2000万元(約4億円)で売却した。また、移民のために、弁護士やウェルスマネージャーを雇った。「とても悲しいだが、今は離れる時だ」と彼は語った。

(翻訳・藍彧)