蔡英文総統は「永安ハタ養殖漁業」の現場を視察に行った。(中華民国総統府 CC BY 2.0 via flickr

 中国税関総署は10日、複数の禁止薬物などの検出を理由として、台湾産の高級海水魚ハタについて一時輸入を停止すると発表した。これを受け、台湾の養殖業者が途方に暮れる中、日本の漁業養殖業者が「民主的な魚」の購入で救いの手を差し伸べる。

 中国の禁止令に対し、台湾屏東県養殖漁業発展協会の総幹事である陳啓宏氏は、希望之声の取材に対して、「これらの養殖業の現場を検査・確認・視察に行ったが、いわゆる禁止薬物の部分は全くなかった」とし、「台湾製品の正当な取引を抑制するための政治的配慮があるのではないか」と述べた。

 台湾製品が中国共産党の抑制を受けた際、日本は救いの手を差し伸べた。

 19日の産経新聞の1面は、福島県などで魚の養殖業を営む林養魚場(昭和10年創立)会長の林慎平(はやし・しんぺい)氏が「ハタは私が引き受ける。ご安心ください」と名乗りをあげ「ハタの輸入に向け本格的に準備を始めた」と報じた。林会長はすでに、台湾屏東県の業者と連絡を取り、値段や輸送ルートなどについて商談を始めている。

 親台派の林慎平氏は、「台湾が中国に圧迫されているのを見て、台湾を支援したいと思う日本人は非常に多い。『民主的な魚』を食べて台湾を応援することで、大きな需要を喚起することができると思う」と語った。

 林会長は、まず2から3トンのハタを輸入し、関連レストラン業者に試食してもらい、日本の消費者に適した調理法を模索する予定だと述べた。その後、台湾を訪問して、ハタの養殖状況などを確認し、本格的にハタの輸入を開始するという。

 現在、すでに複数の大手寿司チェーンがハタの受け入れに関心を示しているという。

(翻訳・藍彧)