中国の魏鳳和国防相(James N. Mattis, CC BY 2.0 , via Wikimedia Commons)

 中国の魏鳳和国防相は12日、シンガポールで開催された第19回アジア安保会議(シャングリラ対話)で、台湾のために一戦を惜しまないと宣言した。その後、中国外務省の汪文斌報道官は13日の記者会見で「台湾海峡は国際水域ではない」と公言した。中国共産党は突然強硬な発言を続け、背後にある原因が議論を呼んだ。

 台湾のデジタルメディア「美麗島電子報」の呉子嘉会長は、ユーチューブチャンネル「関鍵時刻(クリティカル・タイム)」で、中国共産党が「台湾海峡は国際水域ではない」と発言したことは、これまで一度もなかったことであり、急にこのように強硬な態度を示したのは、中国共産党内部で何か問題があり、習近平氏が対外的に厳しい態度に出ざるを得なかったのではないかと述べた。

 習近平氏が中国共産党の軍幹部に、第20回党大会で再選を目指す理由は台湾統一にあるとプライベートで語ったことを、呉子嘉氏が情報筋から聞き、そのため、習氏は台湾問題で引き下がれないと説明した。

 「縦覧中国(China In Perspective)」ウェブマガジンの発行人兼編集長の陳奎徳氏は「大紀元時報」に対して、中共が突然、台湾問題で強硬な態度を示したのは、内部に戦争の雰囲気を作り出し、共通の敵を作り、党内の各勢力を団結させようとしているのだと分析した。

 「ゼロコロナ政策はもはや進められなくなり、経済上の権力は李克強首相の手が握っているため、習近平氏は今、軍事的に動くしかなく、プーチン氏に倣って出口のないところで戦争を起こし、自分の権力と地位を固める可能性がある」

 中共の絶え間ない対外挑発は、かえって東アジアの局面に変化をもたらした。日米韓の軍事大国が前例のない同盟を結び、東アジアに政治と軍事に大きな変化をもたらしている。

 呉子嘉氏は、中共が台湾を侵攻すると中国共産党の崩壊につながるとコメントした。

(翻訳・藍彧)