失業(イメージ / Pixabay CC0 1.0)

 中国政府が15日に発表した公式経済データでは、若年層の失業率が記録的なものとなっている。

 中国国家統計局が15日、ウェブサイトで発表した経済データによると、2011年1月から年間主要業務売上高が2000万元(約4億円)以上のすべての工業企業の工業増加値は、前年同期比0.7%しか増加しなかった。そのうち、経済形態別では、外資系企業および香港・マカオ・台湾の投資企業が5.4%減少した。

 また、5月の社会消費財小売総額は前年同月比6.7%減となった。事業所の所在地別では、都市部の消費財小売売上高は前年同期比6.7%減、地方部の消費財小売売上高は同6.3%減となった。厳しいロックダウンやゼロコロナ政策が消費分野に与える影響を浮き彫りにしている。

 中国の経済は衰退し、中央政府の経済意思決定層の内部では、政策に対する対応が異なっている。

 ブルームバーグはこれまで、中国当局は今、経済の悪循環に陥っていると考えている。一方では様々な経済の弱点に直面して必死になり、経済刺激策を導入するが、他方では厳しいゼロコロナ政策に固執して、これらの刺激策を無効化にしている。

 特に若年層の失業率はもっとも深刻で、5月の都市調査の失業率は5.9%だった。16-24歳の失業率は18.4%に達し、4月の18.2%を上回り、統計記録以来最高を記録した。

 中国のウェブサイト「財新網」によると、北京大学国家発展研究所の盧峰教授(経済学)は、同研究所が5月18日に行ったシンポジウムで、中国の若年層失業率が4月に欧米を上回ったと指摘した。中国、アメリカ、ヨーロッパの3大経済圏の4月の失業率の調査結果を挙げ、ヨーロッパは6.2%、中国は6.1%、アメリカは3.6%であることを明らかにした。盧峰氏は、数年前にヨーロッパなどの若者の失業率が20%に達したのを見て、想像を絶するものだと感じていたが、「今や中国もこの数字になっているとは思ってもみなかった」と嘆いた。

(翻訳・藍彧)