袁紅氷氏(パブリック・ドメイン)

 オーストラリアに滞在する法学者、袁紅氷(えんこうひょう)氏は、中国東北部の軍事工場がロシアへの援助物資を急いで生産していることを明らかにした。

 袁氏は16日、弊社とのインタビューで、中国共産党(以下、中共)内部の情報筋から、「軍隊の兵站(へいたん)製品を生産する東北部の一部工場がフル稼働で、ロシア軍向けの物資を生産している。そして、ロシアのラベルを貼り、戦線に続々と送られている」と述べた。

 米国は、ロシアが2月24日開戦直後、中共に地対空ミサイル、無人機、情報収集関連機器、装甲車、後方補給用の車両など5種類の支援を要請していたと、ユーラシアの同盟国に伝えた。フィナンシャル・タイムズ紙(FT)の報道で分かった。

 豪シンクタンク、ローウィー国際政策研究所の国際安全保障問題専門家、サム・ロゲビーン氏は、中共によるロシアへの援助は、軍用飯(MRE、携行食)など「非常に基本的なもの」だろうと、ラジオ・フリー・アジア(RFA)に語った。

 欧米は今、中共への圧力を強め、ロシア・ウクライナ戦争の立場を表明するよう要求している。

 秦剛駐米大使のある動きは、中共の立場が微妙に変化していることを反映していると考えられる。

 秦氏は15日、ワシントン・ポスト紙に「ウクライナにおける我々の立場」と題する署名文を発表し、北京は事前に何も知らなかったと主張した。「ロシアとウクライナの戦争で中国が得られる利益は何もない。もし中国が危機が迫っていることを知っていたら、我々はそれを防ぐために最善を尽くしたことだろう」と書いた。

(翻訳・徳永木里子)