(イメージ / Pixabay CC0 1.0)

 中国北京市に拠点を置く育媧人口研究所(YuWa Population Research Institute)は22日、中国で子育て費用に関する報告書を発表した。2019年、中国の家庭で0~17歳の子どもを育てるのにかかる平均費用は48.5万元(約878万円)、0歳から大学卒業までの平均費用は62.7万元(約1136万円)であることを明らかにした。

 養育コストは1人当たりGDPの倍数が高いほど、子育ての圧力が大きくなり、出産率が低くなることが多い。

 同報告書では、国際社会で子育て費用を見てみると、一人当たりGDPの倍数で比較すれば、オーストラリアが2.08倍、フランスが2.24倍、スウェーデンが2.91倍、ドイツが3.64倍、アメリカが4.11倍、日本が4.26倍、中国が6.9倍。中国はほぼ世界一であると記している。

 中国の大都市では子育て費用がより高く、上海市では100万元(約1810万円)以上、北京市では96.9万元(約1755万円)にも達する。この2つの都市の出生率は、中国の平均よりもさらに低くなっている。

 子育て費用は、出産適齢期の家庭が子供を持つ意欲に影響を与える最も重要な要因の一つであるという。2017年、旧国家衛生与計画生育委員会(現在、国家衛生健康委員会)が実施した中国の少子化に関するサンプルリング調査の結果によると、出産適齢期の女性が子供を産まないない理由のトップ3は「経済的負担が重い」「高齢」「子供の世話をする人がいない」であり、それぞれ77.4%、45.6%、33.2%を占めたという。

 同報告書が発表された後、ネットユーザーの間で話題となった。一人の子供の1年の養育コストは最低でも5万元(約90万円)かかっており、それに結婚の時に車や家の購入に加えて、子育て費用は最低でも150万元(約2717万円)になる。2人目、3人目をさらに考える勇気はないと、一部のネットユーザーは投稿した。

(翻訳・徳永木里子)