(YouTubeチャンネル「方菲訪談」より)

 インフレーション(インフレ)問題は既に世界経済の注目を集めており、『エコノミスト』誌はこのほど、来年の世界経済成長とインフレの10の不確定要素を分析した。台湾メディアグループの財信傳媒の謝金河(しゃ・きんが)代表取締役は「中国は来年の世界経済における最大のリスクである」と指摘した。

 『エコノミスト』誌は27日、2022年の世界成長とインフレに関する10の不確定要素を発表した。

 一、米中関係の悪化によって世界経済は完全にデカップリングする

 二、予想外の急速なデフレーションは米国株式市場を崩壊に導く

 三、中国の不動産崩壊による経済発展の急激な減速

 四、米国および世界金融の収束が新興市場の回復を妨げる

 五、新型コロナウイルス(中共ウイルス、SARS-CoV-2)の新たな変異株が出現し、ワクチンに耐性があることが証明された

 六、広範な社会不安が世界経済の回復に影響を及ぼす

 七、中国と台湾の衝突が勃発し、米国がやむを得ず介入

 八、ヨーロッパと中国の関係が著しく悪化

 九、深刻な干ばつによる飢饉

 十、国家間のサイバー戦により主要経済体のインフラが麻痺

 これに対して、謝金河氏は30日にフェイスブックで、「これらの不確定要素の最も核心的な争点は中国である」と述べた。なぜなら、中国経済は過去30年で急速に成長し、世界経済の成長を牽引する最大の動力になった。中国は世界の工場になり、安価な労働力で作られた工業製品で、世界的なインフレーションの圧力を緩和した。「しかし現在、この世界経済の成長を牽引してきたエンジンが無力化し、未来の世界にとってかつてない不確定要素となっている」と同氏が指摘した。

 同氏は、2022年は大きく変わる1年になる可能性が高く、中でも中国は世界最大の不確定要素であると考えている。その表れとして、まず米中の対立の影響が全世界まで拡大し、世界各国が次々と陣営を選ぶ。ヨーロッパ各国はここ数カ月台湾に対して、かつてなかった友好的な態度を示していることが、最も明らかな変化であるという。

 一方、北京当局の一連の監督管理政策が中国にもたらした衝撃は非常に大きい。不動産バブルが一旦崩壊すれば、その影響は測り知れない。米中の対立による経済的なデカップリングは、世界的なインフレにさらに圧力をかけることになる。グローバル時代が終わり、安価な生産基地が見つからなくなり、過去30年の世界経済に質的変化と量的変化が現れる、と同氏が分析した。

 謝金河氏は最後に、「世界経済、貿易、政治のいずれも表面下の動きが激しく、油断すると、偶発的な軍事衝突がいつ発生しておかしくない。習近平氏はおそらく世界の尖った神経に触れる最も重要な人物である」と強調した。

(翻訳・吉原木子)