(神韻芸術団ホームページより)

 旧友と再会したり初めて会う人とあいさつをするとき、握手をしかけたものの、ソーシャルディスタンスを思い出して、ぎこちなく手を引っ込めたことはありませんか?

 中共ウイルス(新型コロナウイルス)の拡大に伴い、以前のように握手をすることが、はばかられるようになりました。接触しないであいさつするには、どのような方法があるでしょうか。

 古代中国のやり方を参考にできるかもしれません。東洋に握手の習慣はなかったからです。そのため、中国では距離を保ったあいさつの仕方がひとつでなく、いくつも発達しました。

 ここでは6つのあいさつについて見ていきましょう。

1. 拱手礼

拱手礼(神韻芸術団ホームページより)

 一方の手で拳をつくり、反対の手をかぶせます。今日でもアジアの一部の地域で好まれます。特に台湾では、この伝統的なあいさつがよく用いられています。

この動作は感謝、祝福、謝罪、嘆願を表すのに使われます。

男性は右手の拳に左手をかぶせ、女性は左手の拳に右手をかぶせます。(これを間違えると滑稽に見えますのでご注意を)

2. お辞儀

お辞儀(神韻芸術団ホームページより)

 お辞儀は正式な作法です。西洋の宮廷でも好まれました。今日でもアジアの多くの国々でよく見受けられます。

 お辞儀の作法は国によって多少異なります。お辞儀が多用される韓国と日本では、答礼しないのは失礼になります。社会的地位が非常に重視されるので、上司や教師、年長者など目上の人に対するお辞儀は欠かせません。

 好ましいお辞儀には次のポイントがあります。

・背中から首、頭のラインを真っすぐに保ち、腰から体を折る

・膝はまっすぐ伸ばす

・敬意を表すためにゆっくりと頭を下げ、下まで達したら速やかにゆっくりと上に戻す

・一般的に、頭を深く下げるほど、誠意や尊敬の念が強く示される。しかし通常はわずかに下げるだけで十分とされる習慣にすれば、腰を鍛えることにも繋がります。

3. 抱拳礼

抱拳礼(神韻芸術団ホームページより)

 抱拳礼は武術で用いられます。素人目には拱手礼と似ていますが、抱拳礼は右手の拳を左手にあてる際、左手は指を伸ばして掌を広げます。両手を合わせるときに、音が出るぐらい強く押し当てることもあります。

 抱拳礼の由来はいくつかあり、文武両道を表すという説もあります。拳は屈強な戦士、開いた手は常に学びを受け入れる学者を意味します。

4. 万福

万福(神韻芸術団ホームページより)

 古代、(ムーランを除いて)女性が抱拳礼をする習慣はありませんでした。その代わり、万福と呼ばれる別のポーズを用いていました。

 やり方は、まず左手の拳を右手で包みます。そのまま両手を左の腰に当て、膝を少しだけ曲げて小さくお辞儀します。

5. 作揖

作揖(神韻芸術団ホームページより)

 作揖は約3千年前の西周の時代に正式とされた古代のあいさつです。

 状況によって、実に9つもの違ったやり方があります。

 基本は次のようにします:

 立って、両手を胸の前に上げ、掌は内側を向けます。前腕は地面と平行にします。

・男性は左手を外側に、女性は右手を外側にする

・指は力を抜く

6. 合掌

合掌(神韻芸術団ホームページより)

 合掌は佛教でよく用いられます。僧侶が他の僧侶や住職、在家者にあいさつするときは合掌です。他の宗派の修行僧とあいさつするときや、祈るとき、導師に尊敬の念を示すとき、佛像と対面するときにも用いられます。

 合掌は、ヨガなど南アジアの伝統文化からもよく知られています。やり方は、胸の前で両手のつけ根を軽く重ねます。指も優しく重ね合わせ、両手の間に隙間を残します。前腕は力を抜き、左右の肘の間をほぼ真っすぐにします。

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 中国の伝統文化から、ソーシャルディスタンスを保ったままで気持ちよくあいさつを交わす6つの方法をご紹介しました。ご参考になりましたら幸いです。昔のあいさつが復活するかもしれませんね!

(神韻芸術団ホームページより)