タリバン(Al Jazeera English, CC BY-SA 2.0 , via Wikimedia Commons)

 アフガニスタンの反政府武装勢力タリバンが投降したアフガン軍の捕虜を殺害する非人道的な動画が今週、インターネットで拡散されている。 これは、タリバンと中国共産党政府が友好関係にあると主張し、多くの非難を浴びた後のことである。

 鮮明でなくぶれている動画の中で、「投降しろ、突撃隊、投降しろ」と呼び掛ける声が響き、非武装の数人の兵士が明らかに丸腰で建物から出てきて、しかし、その直後に銃声が鳴り響き、「アッラーフ・アークバー(偉大な神様)」という叫び声の中で十数人が射殺された、とCNNは報じた。

 同動画は今年6月16日、アフガニスタンとトルクメニスタンの国境近くにあるファリヤブ州のダウラト・アバドという町で撮影されたものだと言われている。目撃者の話によると、アフガニスタンの特殊部隊員はタリバンの攻撃から町を守ろうと激しく戦ったが、銃弾が尽きて包囲された後、武器を捨てて投降したにもかかわらず、射殺されたという。

 タリバンの報道官であるスハイル・シャヒーン氏は7月、メディアのインタビューで、タリバンは中国をアフガニスタンの友人と見なしており、できるだけ早く北京と共に「国の復興を支援したい」と語った。タリバンは北京政府にアフガニスタンへの投資拡大を呼びかけ、将来、中国の投資家や労働者がアフガニスタンに戻ってきた場合、タリバンが彼らの安全を守ることを約束したという。

 これを受けて、中国の左派メディア「環球時報」の胡錫(シャク)進編集長をはじめとする多くの中国メディアが、「タリバンと中国の関係はとても友好だ」と称賛するコメントを掲載した。しかし、多くの中国のネットユーザーはこれに納得せず、SNSで「びっくりするほど無道徳だ」、「類は友を呼ぶ」、「テロリスト組織は家族だ」などと批判した。

(翻訳・吉原木子)