「戦狼外交」やり過ぎたか(看中国/Vision Times Japan)

 中国公式メディアによると、中国中央政治局は5月31日午後、国際社会への発信力について第30回グループ学習を行った。習近平総書記はプロパガンダ体系に、基本スタンスを把握し、自信を持つと同時に謙虚さを兼ね、信頼でき、愛と尊敬のある中国のイメージ作りに努めることを要求した。また、「世論闘争の策略とやり方を講じるべきだ」と強調した。

 『北京之春』誌の編集長胡平氏が「大紀元」のインタビューを受けた際に、習近平氏の発言から彼が四面楚歌の状況に置かれ、現状打破しようとしているのが伺えると述べた。

 ラジオ・フランス・アンテルナショナル(RFI)1日付の記事では、中国共産党(以下、中共)の上層部は、明らかに中国(共産党)の国際におけるイメージが問題となっていることに気づいたと指摘した。「習氏の要求は、プロパガンダの効果のなさや『戦狼外交』によるイメージダウンに不満を示しているようだ。中共外交官の『戦狼』的なやり方はつまり自らの昇進のために、中央政権に見せているのである。『戦狼』という役割をうまく務めれば務めるほど出世できるが、習氏の発言から、中共外交官が少しやりすぎたのではないかと推測できる」

 報道によると、中共が2009年に「プロパガンダ企画」を始動してから、グローバル的な巨大なプロパガンダ体系を形成し、毎年百億以上の米ドルを投入していると推計される。しかし、その効果はいまいちで、「戦狼外交」は国際社会の大多数からさらに反感を買っている。

 昨年、ピュー・リサーチ・センター(ピュー研究所)が公開した欧米諸国とアジア14の先進国家を対象とした調査報告から、イギリス、ドイツ、オランダ、スウェーデン、アメリカ、韓国、スペインとカナダなどの国で中国への反感がここ10年の最高値に達したことがわかった。BBCも以前、パンデミックと「戦狼外交」が相まって、中国の国際イメージダウンが深刻であると報道した。

(翻訳・北条)